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April 24, 2003 Vol. 348 No. 17

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前向き研究を行った米国成人コホートにおける過体重,肥満および癌死亡率
Overweight, Obesity, and Mortality from Cancer in a Prospectively Studied Cohort of U.S. Adults

E.E. Calle, C. Rodriguez, K. Walker-Thurmond, and M.J. Thun

背景

過剰な体重が癌死亡リスクに与える影響は,完全には明らかにされていない.

方 法

1982 年の登録時に癌でなかった 90 万人以上の米国成人(男性 404,576 人,女性 495,477 人)から成る集団で前向き研究を行ったところ,16 年の追跡調査期間中に,57,145 人が癌で死亡した.多変量比例ハザードモデルで他のリスク因子を補正すると同時に,1982 年の体格指数と全癌および各部位の癌による死亡リスクとの関係を男女で検討した.この研究によるリスク評価と米国成人集団における過体重・肥満の有病率に関する全米推計値に基づき,米国集団における過体重と肥満に起因する全癌死亡の割合を算出した.

結 果

このコホートの中でもっとも肥満であった集団(体格指数[kg で表示した体重を m で表示した身長の二乗で除したもの]が 40 以上)の全癌死亡率は,正常体重の男女の死亡率に比べて,男性で 52%,女性で 62%高かった.男性の死亡の相対リスクは 1.52(95%信頼区間 1.13~2.05);女性の相対リスクは 1.62(95%信頼区間 1.40~1.87)であった.男女とも,体格指数は,食道,結腸・直腸,肝臓,胆v,膵臓,および腎臓の癌死亡率が高いことと有意に関連していた;非ホジキンリンパ腫と多発性骨髄腫による死亡についても同じことがいえた.男性では胃癌と前立腺癌による死亡,女性では乳癌,子宮癌,子宮頸癌,卵巣癌による死亡に関して,体格指数の増加に伴いリスクが増加する有意な傾向が認められた.この研究で認められた関係に基づくと,米国における現在の過体重・肥満のパターンが,男性では全癌死亡の 14%,女性では 20%の原因になっていると推定される.

結 論

体重の増加は,全癌死亡率および複数の特定部位の癌死亡率の上昇と関連していた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 1625 - 38. )