陽電子放射断層撮影とコンピュータ断層撮影の統合システムを用いた非小細胞肺癌の病期分類
Staging of Non-Small-Cell Lung Cancer with Integrated Positron-Emission Tomography and Computed Tomography
D. Lardinois and Others
われわれは,非小細胞肺癌における病期を決定するうえでの,陽電子放射断層撮影(PET)とコンピュータ断層撮影(CT)を統合したシステムの精度を,CT 単独,PET 単独,従来の PET と CT を視覚的に対比した場合の精度と比較した.
前向き研究において,非小細胞肺癌の確診例または疑診例 50 例に統合型 PET-CT を実施した.CT や PET 単独,視覚的に対比させた PET と CT,および統合型 PET-CT を別々に評価し,TNM(原発腫瘍・リンパ節転移・遠隔転移)分類を,画像解析に基づいて同定した.リンパ節の位置は,米国胸部疾患学会のマッピングシステムに従って同定した.基準となる評価は,腫瘍の病期とリンパ節転移の病期の組織病理学的評価であった.胸郭外転移は,組織病理学的あるいは少なくとも他の 1 つの画像法によって確認した.統合型 PET-CT と他の画像法との比較には,対応のある 2 群で差を検定する符号検定を用いた.
統合型 PET-CT は,患者 49 例中 20 例(41%)に関して追加情報を与え,PET と CT の従来の視覚的対比で明らかになる情報より優れていた.統合型 PET-CT は,他の画像法よりも診断精度が高かった.統合型 PET-CT を用いた腫瘍の病期分類の精度は,CT 単独(P=0.001),PET 単独(P<0.001),あるいは PET と CT の視覚的対比(P=0.013)よりも有意に正確であった;リンパ節転移の病期分類に関しても,統合型 PET-CT を用いたほうが PET 単独よりも有意に正確であった(P=0.013).転移の病期分類においては,統合型 PET-CT により,患者 8 例中 2 例で診断の確実性が高まった.
統合型 PET-CT により,非小細胞肺癌の病期分類についての診断精度が向上する.