ギリシャ住民における地中海食の順守と生存率
Adherence to a Mediterranean Diet and Survival in a Greek Population
A. Trichopoulou, T. Costacou, C. Bamia,and D. Trichopoulos
地中海食の順守は寿命を延ばす可能性があるが,関連したデータは限られている.
ベースライン時に食物摂取頻度調査票に記入したギリシャの成人 22,043 人を対象に,人口ベースの前向き研究を行った.食物摂取頻度調査票は広範囲にわたっており,妥当性が確認されていた.伝統的な地中海食の順守を,その食事の顕著な特性を組み入れた 10 段階の地中海食スケール(スコア範囲 0~9,スコアが高いほど順守されていることを示す)により評価した.地中海食の順守と全死亡率,冠動脈心疾患による死亡率,癌による死亡率との関係を,年齢,性別,体格指数,身体活動レベルおよび他の可能性のある交絡因子で補正後,比例ハザード回帰分析を用いて評価した.
中央値 44 ヵ月の追跡期間中に 275 人が死亡した.地中海食の順守程度がより高いことは,全死亡率の減少と関連していた(地中海食スコアの 2 点増加に関連した死亡に対する補正ハザード比 0.75[95%信頼区間 0.64~0.87]).地中海食のより高い順守と,冠動脈心疾患による死亡(補正ハザード比 0.67[95%信頼区間 0.47~0.94])および癌による死亡(補正ハザード比 0.76[95%信頼区間 0.59~0.98])の双方が,負の関連性をもつことは明らかであった.地中海食スコアに寄与している個別の食品群と全死亡率との関係は,概して有意ではなかった.
伝統的な地中海食が順守されていることは,全死亡率の有意な減少と関係している.