The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

June 26, 2003 Vol. 348 No. 26

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

再発性難治性骨髄腫に対するボルテゾミブの第 II 相試験
A Phase 2 Study of Bortezomib in Relapsed, Refractory Myeloma

P.G. Richardson and Others

背景

ホウ素酸ジペプチド,ボルテゾミブ(bortezomib)は,前臨床および第 I 相試験で骨髄腫に対して抗腫瘍活性を示すことが明らかになった新規のプロテアソーム阻害薬である.

方 法

この多施設共同,非盲検,非無作為第 II 相試験では,ごく最近受けた治療に反応しなかった再発性骨髄腫患者 202 例を登録した.患者に体表面積 1 m2 当り 1.3 mg のボルテゾミブを週 2 回,2 週間投与したあと 1 週間休薬する療法を,最大 8 サイクル(24 週間)行った.効果が不十分な患者には,治療にデキサメタゾン経口の投与(ボルテゾミブ投与日および投与翌日に 1 日 20 mg)を加えた.反応は,血液と骨髄移植に関する欧州グループ(European Group for Blood and Marrow Transplantation)の基準に基づいて評価し,独立した検討委員会が確認を行った.

結 果

評価可能であった患者 193 例のうち,92%は骨髄腫に対して 3 種類以上の主な薬剤分類に属する薬剤で治療を受けており,91%で,骨髄腫は直前に受けた治療に反応しなかった.ボルテゾミブの奏効率は 35%であり,奏効した患者の中には,骨髄腫蛋白が検出されなくなった患者 7 例と,免疫固定法でのみ骨髄腫蛋白が検出される患者 12 例が含まれていた.全生存期間の中央値は 16 ヵ月であり,奏効期間の中央値は 12 ヵ月であった.グレード 3 の有害事象は,血小板減少(患者の 28%),疲労(12%),末梢性ニューロパシー(12%),好中球減少(11%)であった.グレード 4 の事象は患者の 14%に生じた.

結 論

抗腫瘍薬の新しい薬剤分類に属するボルテゾミブは,従来の化学療法に反応しない再発性多発性骨髄腫の患者に対して抗腫瘍活性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 2609 - 17. )