November 6, 2003 Vol. 349 No. 19
無症候性ウォルフ–パーキンソン–ホワイト症候群患者に対する予防的カテーテルアブレーションに関する無作為試験
A Randomized Study of Prophylactic Catheter Ablation in Asymptomatic Patients with the Wolff–Parkinson–White Syndrome
C. Pappone and Others
心電図上でウォルフ–パーキンソン–ホワイト(WPW)症候群を示す無症候性の患者は,若年で,侵襲的電気生理学的検査で房室回帰性頻拍や心房細動を誘発できる場合,不整脈イベントのリスクが高いと判断される.われわれは,そのような患者で副伝導路の予防的カテーテルアブレーションを行うことにより,無治療の場合と比較して持続的で重要な恩恵を得られるという仮説を検討した.
1997~2002 年に,無症候性 WPW 症候群の適格患者 224 例のうち,不整脈リスクの高い患者を,副伝導路の高周波カテーテルアブレーション(37 例)または無治療(35 例)に無作為に割付けた.エンドポイントは,追跡期間 5 年間での不整脈イベントの発生とした.
アブレーションに割付けられた患者のベースラインでの特性は,対照患者の特性と類似していた.アブレーション群の 2 例(5%),対照群の 21 例(60%)に不整脈イベントが発生した.対照群の 1 例に,心室細動が出現した.Kaplan–Meier 法による 5 年不整脈イベント発生率の推定値は,アブレーションを施行した患者では 7%,対照患者では 77%であり(log-rank 検定で P<0.001),アブレーションによるリスク減少は 92%であった(相対リスク 0.08;95%信頼区間 0.02~0.33;P<0.001).
予防的副伝導路アブレーションは,不整脈イベントのリスクが高い無症候性 WPW 症候群患者における不整脈イベントの頻度を著明に減少させる.