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August 14, 2003 Vol. 349 No. 7

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中等度~重度の慢性尋常性乾癬におけるメトトレキサートとシクロスポリンとの比較
Methotrexate versus Cyclosporine in Moderate-to-Severe Chronic Plaque Psoriasis

V.M.R. Heydendael and Others

背景

メトトレキサートとシクロスポリンは,中等度~重度の慢性尋常性乾癬に対する全身療法としてよく知られている.われわれは,メトトレキサートとシクロスポリンの有効性,副作用,QOL を比較する無作為比較対照試験を行った.

方 法

中等度~重度の乾癬患者計 88 例を,16 週間のメトトレキサート投与(患者 44 例;初回投与量 15 mg/週)あるいはシクロスポリン投与(患者 44 例;初回投与量 3 mg/kg 体重/日)のいずれかに無作為に割付け,その後 36 週間追跡した.主要転帰は,ベースライン値で補正した,治療 16 週目の乾癬の面積・重症度指数の群間差とした.スコアは,訓練を受けた観察者によって盲検形式で算出された.

結 果

患者 2 例は不適格であることが判明したため,無作為化後の解析から除外された.また,患者 1 例は同意を撤回した.メトトレキサート群の患者 12 例は肝酵素値の可逆的な上昇のため,シクロスポリン群の患者 1 例はビリルビン値の上昇のため治療を中止しなければならなかったが,中止した 13 例全例が解析に組み入れられた.16 週間の治療後,メトトレキサート投与を受けた患者 43 例では,乾癬の面積・重症度指数の平均(±SE)スコアがベースライン時の 13.4±3.6 から 5.0±0.7 に減少したのに対し,シクロスポリン投与を受けた患者 42 例では 14.0±6.6 から 3.8±0.5 に減少した.ベースライン値で補正後,16 週目の値の平均絶対差は 1.3(95%信頼区間 -0.2~2.8;P=0.09)であった.乾癬の広がりに対する医師の全体的な評価,寛解までの時間と寛解率,およびQOL は,両群で同程度であった.

結 論

中等度~重度の乾癬治療のためのメトトレキサートとシクロスポリンのあいだには,有効性に有意差はみられなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 658 - 65. )