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September 16, 2004 Vol. 351 No. 12

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重症の悪性疾患を患う子供と死について話す
Talking about Death with Children Who Have Severe Malignant Disease

U. Kreicbergs and Others

背景

悪性疾患末期の小児の親が直面する問題の 1 つに,死について子供と話すべきかどうかということがある.

方 法

2001 年に,スウェーデン在住で 1992~97 年に子供を癌で亡くした親全員に接触を試みた.対象となる親 561 人のうち,449 人が質問票に回答し,429 人が死について子供と話したかどうかを報告した.

結 果

死について子供と話した親 147 人のうち,話したことを後悔している人はいなかった.対照的に,死について子供と話さなかった親 258 人のうち,69 人(27%)は話さなかったことを後悔していた.子供が自分の差し迫った死に気付いていると感じていた親は,死について話さなかったことを後悔する傾向が強かった(47%,これに対し,子供が気付いていると感じていなかった親では 13%;相対リスク 3.7;95%信頼区間 2.3~6.0).子供が自分の死に気付いていると親が感じていたか否かは,死について話したことに関連していた(50% 対 13%;相対リスク 3.8;95%信頼区間 2.6~5.6).同様に,信仰をもっているか否かも,死について話したことに関連していた(42% 対 25%;相対リスク 1.7;95%信頼区間 1.2~2.3).子供の年齢は,死について話したかどうか,死について話さなかったことを親が後悔しているかどうかの双方に関連していた.

結 論

子供が自分の差し迫った死に気付いていると感じていた親は,感じていなかった親よりも,子供と話さなかったことを後に後悔する場合が多い.全体として,今回のコホート集団では,子供と死について話したことを後悔している親はいなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1175 - 86. )