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July 8, 2004 Vol. 351 No. 2

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術前の PSA 経時的変化率と根治的前立腺切除後の前立腺癌死亡のリスク
Preoperative PSA Velocity and the Risk of Death from Prostate Cancer after Radical Prostatectomy

A.V. D'Amico and Others

背景

根治的前立腺切除後に前立腺癌で死亡するリスクがある患者を,診断時に得られる情報から同定できるか否かを検討した.

方 法

限局性前立腺癌患者 1,095 例を調査し,診断の前年の前立腺特異抗原(PSA)上昇率(PSA 経時的変化率),診断時の PSA 値,グリーソンスコア,腫瘍の臨床病期により,根治的前立腺切除後,前立腺癌で死亡するまでの時間とあらゆる原因で死亡するまでの時間を予測できるかどうかを評価した.

結 果

PSA の年間変化率が 2.0 ng/mL 以下の場合に比べ,2.0 ng/mL を超える場合,前立腺癌で死亡するまでの時間(P<0.001)とあらゆる原因で死亡するまでの時間(P=0.01)が有意に短縮した.診断時の PSA 値上昇(P=0.01),グリーソンスコアが 8,9,10 のいずれかであること(P=0.02),腫瘍の臨床病期が T2 であること(P<0.001)も,前立腺癌で死亡するまでの時間の予測因子であった.PSA の年間変化率が 2.0 ng/mL を超える男性では,診断時の PSA 値,腫瘍の病期,グリーソンスコアも,根治的前立腺切除から 7 年後までの前立腺癌による死亡リスクや全死因死亡リスクの推定値に影響を及ぼした.

結 論

前立腺癌と診断される前年の PSA 値の上昇が 2.0 ng/mL を超える男性では,根治的前立腺切除を受けても,前立腺癌による死亡リスクが相対的に高い可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 125 - 35. )