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September 23, 2004 Vol. 351 No. 13

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軽症クループに対するデキサメタゾン単回経口投与に関する無作為試験
A Randomized Trial of a Single Dose of Oral Dexamethasone for Mild Croup

C.L. Bjornson and Others

背景

中等症~重症のクループに対するデキサメタゾン療法の有益性は,十分に立証されている.しかし,クループを呈する小児のほとんどは軽症であり,このような小児でデキサメタゾン療法を行った場合に,より重症のクループを呈する小児と同程度の利益が得られるのかどうかは明らかではない.

方 法

4 施設の小児救急外来で二重盲検試験を実施し,軽症のクループの小児 720 例を,デキサメタゾン(0.6 mg/kg 体重)またはプラセボの単回経口投与に無作為に割付けた.小児らは,Westley らのクループ評価法でスコア 2 以下と定義される,軽症のクループであった.主要転帰は,治療後 7 日以内にクループで医療機関を再受診することとした.副次的転帰は,治療後 1,2,3 日目のクループ症状の持続とした.その他の転帰は,経済的負担,クループで小児の睡眠が妨げられた時間,小児の疾患に対する保護者側のストレスとした.

結 果

ベースライン時の臨床的特性は,両群で同様であった.再受診率はデキサメタゾン群で有意に低かった(7.3% 対 15.3%,P<0.001).デキサメタゾン群では,クループ症状がより早期に軽快し(P=0.003),睡眠が妨げられた時間が短く(P<0.001),保護者側のストレスが軽減していた(P<0.001).

結 論

軽症のクループを呈する小児にとって,デキサメタゾンは有効な治療法であり,小さいながらも重要な,一貫性のある臨床的・経済的利益をもたらす.この治療法の長期的な効果は不明であるが,今回のデータからは,クループを患う小児には,全例にではないにしてもその大部分に対し,デキサメタゾンの使用が支持される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1306 - 13. )