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February 3, 2005 Vol. 352 No. 5

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原発性全身性ジストニアに対する両側淡蒼球深部脳刺激療法
Bilateral Deep-Brain Stimulation of the Globus Pallidus in Primary Generalized Dystonia

M. Vidailhet and Others

背景

重症型のジストニアは,薬物療法に対する反応が不良である.深部脳刺激療法はジストニアの治療に用いられてきた可逆的な神経外科的処置であるが,その有効性の評価はオープン試験に限られていた.

方 法

多施設共同の前向き対照試験を行い,原発性全身性ジストニア患者 22 例において両側淡蒼球刺激の有効性と安全性を評価した.ジストニアの重症度は,術前および術後 3,6,12 ヵ月の時点で,Burke-Fahn-Marsden ジストニア評価スケールの運動サブスコアと障害サブスコア(範囲はそれぞれ 0~120 と 0~30,スコアが高いほど障害が大きい)を用いて,神経刺激中に評価した.運動スコアは,ビデオ録画した様子を,治療状況を知らない観察者が検討し評価した.3 ヵ月の時点に,神経刺激下と非刺激下で,患者を二重盲検で評価した.また,ベースラインおよび 12 ヵ月の時点に,患者の QOL,認知,気分を評価した.

結 果

ジストニア運動スコアは,術前の平均(±SD)46.3±21.3 から,12 ヵ月の時点には 21.0±14.1 に改善した(P<0.001).障害スコアは,術前の 11.6±5.5 から,12 ヵ月の時点には 6.5±4.9 に改善した(P<0.001).一般健康状態と身体機能は,12 ヵ月の時点で有意に改善したが,気分や認知の測定値に有意な変化は認められなかった.3 ヵ月の時点の評価では,神経刺激を行った場合は行わなかった場合と比較して,ジストニア運動スコアが有意に優れていた(24.6±17.7 対 34.6±12.3,P<0.001).(患者 3 例において)有害事象が 5 件発生したが,永続的な後遺症を残すことなく全件が治癒した.

結 論

これらの所見は,一部の原発性全身性ジストニア患者に対し両側淡蒼球内節刺激療法を行うことの,有効性と安全性を支持するものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 352 : 459 - 67. )