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November 24, 2005 Vol. 353 No. 21

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特発性肺線維症における高用量アセチルシステイン
High-Dose Acetylcysteine in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

M. Demedts and Others

背景

特発性肺線維症は,予後不良な慢性進行性疾患である.

方 法

二重盲検無作為プラセボ対照多施設試験を行い,プレドニゾン+アザチオプリンの標準療法に加え,高用量のアセチルシステイン(600 mg 1 日 3 回)を 1 年間経口投与した場合の有効性を評価した.主要エンドポイントは,肺活量と 1 回呼吸法による一酸化炭素肺拡散能力(DLCO)の,ベースラインから 12 ヵ月のあいだの変化とした.

結 果

計 182 例の患者を治療群(アセチルシステイン 92 例,プラセボ 90 例)に無作為に割付けた.うち 155 例(アセチルシステイン 80 例,プラセボ 75 例)は,専門委員会による高分解能 CT と組織学的所見の再検討により通常型間質性肺炎であることが確認され,かつ治療開始前に同意を撤回しなかった.アセチルシステイン群の 80 例中 57 例(71%)とプラセボ群の 75 例中 51 例(68%)が,1 年間の治療を完了した.アセチルシステインにより,肺活量および DLCO の悪化が遅延した.12 ヵ月の時点で,肺活量のベースラインからの変化は,アセチルシステイン群とプラセボ群で絶対差 0.18 L(95%信頼区間 0.03~0.32),相対差 9%であり(P=0.02), DLCO の変化は,絶対差 0.75 mmol/分/kPa(95%信頼区間 0.27~1.23),相対差 24%であった(P=0.003).試験期間中の死亡率は,アセチルシステイン群で 9%,プラセボ群で 11%であった(P=0.69).有害事象の種類や重症度には,アセチルシステイン群とプラセボ群のあいだで有意差はみられなかったが,骨髄毒性の発生率のみアセチルシステイン群のほうが有意に低かった(P=0.03).

結 論

プレドニゾンとアザチオプリンに加え,アセチルシステイン 600 mg を 1 日 3 回投与すると,特発性肺線維症患者の肺活量と DLCO が,標準治療単独よりもよく維持された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 2229 - 42. )