The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 7, 2005 Vol. 353 No. 1

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

高リスクの本態性血小板血症に対するヒドロキシウレアとアナグレライドの比較
Hydroxyurea Compared with Anagrelide in High-Risk Essential Thrombocythemia

C.N. Harrison and Others

背景

本態性血小板血症の治療において,ヒドロキシウレアとアナグレライドの無作為比較試験を実施した.

方 法

血管イベントのリスクが高い本態性血小板血症患者計 809 例に,低用量アスピリンに加えて,アナグレライドまたはヒドロキシウレアのいずれかを投与した.複合主要エンドポイントは,動脈血栓症(心筋梗塞,不安定狭心症,脳血管発作,一過性脳虚血発作,末梢動脈血栓症),静脈血栓症(深部静脈血栓症,内臓静脈の血栓症,肺塞栓症),重篤な出血,血栓または出血による死亡の統計的リスクとした.

結 果

中央値 39 ヵ月の追跡後,アナグレライド群の患者では,ヒドロキシウレア群の患者よりも,主要エンドポイントに達している可能性が有意に高かった(オッズ比 1.57,95%信頼区間 1.04~2.37,P=0.03).ヒドロキシウレア+アスピリン群と比較して,アナグレライド+アスピリン群では,動脈血栓症(P=0.004),重篤な出血(P=0.008),骨髄線維症への移行(P=0.01)の発生率が高く,静脈血栓塞栓症(P=0.006)の発生率が低かった.アナグレライド投与患者は,割付けられた治療が中止される可能性が高かった(P<0.001).血小板数の長期的管理は,両群で同程度達成された.

結 論

血管イベントのリスクが高い本態性血小板血症患者に対して,ヒドロキシウレア+低用量アスピリンは,アナグレライド+低用量アスピリンよりも優れている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 33 - 45. )