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August 4, 2005 Vol. 353 No. 5

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女性の運動能力に対するノモグラムの予後予測能
The Prognostic Value of a Nomogram for Exercise Capacity in Women

M. Gulati and Others

背景

最近の研究により,運動能力は女性の死亡に対する独立した予測因子であることが示されている.女性の運動能力における年齢別基準値は,十分に確立されていない.この研究の目的は,女性において年齢別の予測運動能力を算出するためのノモグラムを作成し,生存率に対するノモグラムの予後予測能を評価することであった.

方 法

無症候の女性計 5,721 人で,自覚症状が発現しない程度の最大運動負荷試験を実施した.運動能力は代謝当量(MET)で測定した.線形回帰分析を用いて,年齢別に平均到達 MET を推定した.年齢と運動能力の実測値に基づいて,予測される運動能力に対するパーセンテージを推定できるノモグラムを作成した.このノモグラムを用いて,はじめのコホート集団と,自覚症状が発現しない程度の最大運動負荷試験を受けた,心血管症状を有する女性 4,471 人の参照集団の両方について,予測される運動能力に対するパーセンテージを求めた.両コホート集団から生存に関するデータを得て,Cox の生存解析で各群における全死因死亡と心原性死亡の割合を推定した.

結 果

無症候の女性のコホート集団では,年齢に基づく予測運動能力(MET ベース)の線形回帰式は,MET 予測値=14.7-(0.13×年齢)であった.無症候の女性で,運動能力が年齢別予測値の 85%未満の女性の死亡リスクは,運動能力が年齢別予測値の 85%以上の女性の 2 倍であった(P<0.001).症状のある女性のコホート集団でも同様の結果が得られた.

結 論

年齢別に予測運動能力を求めることのできるノモグラムを作成した.このノモグラムにより,無症候の女性と症状のある女性の両方で生存率を予測できる.この知見は,運動負荷試験の解釈に組み込むことができ,リスクの層別化に関して新たな予後予測情報を付け加えるものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2005; 353 : 468 - 75. )