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March 30, 2006 Vol. 354 No. 13

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意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症の有病率
Prevalence of Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significance

R.A. Kyle and Others

背景

意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)は,形質細胞の前癌状態であるが,50 歳以上の人口における正確な有病率は明らかにされていない.われわれは,高感度の検査法を用いて,地域を限定した大規模集団にて MGUS の有病率を確認した.

方 法

1995 年 1 月 1 日に,ミネソタ州オルムステッド郡で生存していた全住民を名簿により同定した.メイヨ・クリニック(Mayo Clinic)でルーチンの臨床検査実施後の残余血清を入手し,そのような血清が入手できない被験者についてはサンプルの提供を依頼した.全血清標本についてアガロースゲル電気泳動を行い,単クローン性蛋白バンドを示す標本,あるいは局所的バンドを有すると考えられる標本には免疫固定法を実施した.

結 果

血清標本は,名簿に記載されていた 50 歳以上の住民 28,038 人中 21,463 人から得られた(76.6%).これらのうち 694 人(3.2%)で MGUS が同定された.年齢調整有病率は,男性のほうが女性よりも高かった(4.0% 対 2.7%,P<0.001).MGUS の有病率は,70 歳以上で 5.3%,85 歳以上で 7.5%であった.単クローン性免疫グロブリン濃度は,694 人のうち 63.5%で 1.0 g/dL 未満であり,2.0 g/dL 以上であったのはわずか 4.5%であった.その他関与しない免疫グロブリンの濃度は,検査した 447 人のうち 27.7%で低下しており,さらに検査した 79 人のうち,21.5%で尿中に単クローン性軽鎖が認められた.

結 論

ミネソタ州オルムステッド郡の住民において,MGUS は 50 歳以上の人口の 3.2%と,70 歳以上の人口の 5.3%で認められた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 1362 - 9. )