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February 16, 2006 Vol. 354 No. 7

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カルシウム+ビタミン D の補給と骨折のリスク
Calcium plus Vitamin D Supplementation and the Risk of Fractures

R.D. Jackson and Others

背景

カルシウムとビタミン D の補給が,健常閉経後女性の大腿骨頸部骨折およびその他の骨折の予防に有効であるかどうかは,まだ確認されていない.

方 法

女性の健康イニシアティブ(Women's Health Initiative;WHI)臨床試験に登録されていた 50~79 歳の閉経後女性,36,282 例を対象とした.参加者を,炭酸カルシウム 1,000 mg とビタミン D3 400 IU の連日投与またはプラセボ投与に無作為に割付けた.平均 7.0 年間の追跡期間に,骨折について確認した.骨密度は 3 ヵ所の WHI センターで測定した.

結 果

腰骨骨密度は,カルシウム+ビタミン D 群のほうが,プラセボ群よりも 1.06%高かった(P<0.01).intention-to-treat 解析では,カルシウム+ビタミン D 補給群のハザード比は,大腿骨頸部骨折が 0.88(95%信頼区間 0.72~1.08),臨床的椎骨骨折が 0.90(0.74~1.10),全骨折が 0.96(0.91~1.02)であることが示された.腎結石のリスクは,カルシウム+ビタミン D 群で増加した(ハザード比 1.17,95%信頼区間 1.02~1.34).試験薬の服薬遵守をやめた女性のデータを打ち切り例として扱うと,大腿骨頸部骨折のハザード比は 0.71(95%信頼区間 0.52~0.97)に低下した.無作為化前の血清ビタミン D 値によって,効果は有意に異ならなかった.

結 論

健常閉経後女性では,カルシウム+ビタミン D の補給により,大腿骨頸部骨密度がわずかではあるが有意に改善したものの,大腿骨頸部骨折は有意に減少せず,腎結石のリスクが増加した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00000611)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 669 - 83. )