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February 23, 2006 Vol. 354 No. 8

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骨密度の低い閉経後女性におけるデノスマブ
Denosumab in Postmenopausal Women with Low Bone Mineral Density

M.R. McClung and Others

背景

破骨細胞分化促進因子(receptor activator of nuclear factor-kB ligand;RANKL)は,破骨細胞の分化,活性化,生存に必須である.完全ヒトモノクローナル抗体であるデノスマブ(denosumab;以前の呼称は AMG162)は,RANKL に高い親和性と特異性で結合し,RANKL の作用を阻害する.

方 法

骨密度の低い(T スコアが腰椎で -1.8~-4.0,大腿骨近位部で -1.8~-3.5)閉経後女性 412 例において,デノスマブの皮下投与の有効性と安全性を 12 ヵ月間にわたり評価した.被験者を,デノスマブを 3 ヵ月に 1 回(用量 6 mg,14 mg,30 mg)または 6 ヵ月に 1 回(用量 14 mg,60 mg,100 mg,210 mg)投与する群,非盲検下でアレンドロン酸(70 mg)を週 1 回経口投与する群,プラセボ群のいずれかに無作為に割付けた.主要エンドポイントは,12 ヵ月の時点での腰椎骨密度のベースラインからの変化率とした.血清・尿中のテロペプチドと骨型アルカリホスファターゼを測定し,骨代謝の変化を評価した.

結 果

12 ヵ月間のデノスマブ投与により,腰椎骨密度が 3.0~6.7%上昇し(これに対し,アレンドロン酸では 4.6%上昇,プラセボでは 0.8%低下),股関節では 1.9~3.6%上昇し(アレンドロン酸では 2.1%上昇,プラセボでは 0.6%低下),橈骨の遠位 1/3 では 0.4~1.3%上昇した(アレンドロン酸では 0.5%低下,プラセボでは 2.0%低下).血清 C テロペプチドについては,平均値のベースラインからの低下は,デノスマブ投与の 3 日後にほぼ最大となった.骨代謝抑制の持続期間は用量依存的と考えられた.

結 論

デノスマブは,骨密度の低い閉経後女性の骨密度を上昇させ,骨吸収を減少させた.この予備的データから,デノスマブは骨粗鬆症の有効な治療薬である可能性が示唆される.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00043186)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 354 : 821 - 31. )