The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 5, 2006 Vol. 355 No. 14

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

新生血管を伴う加齢黄斑変性症に対するラニビズマブとベルテポルフィンの比較
Ranibizumab versus Verteporfin for Neovascular Age-Related Macular Degeneration

D.M. Brown and Others

背景

predominantly classic 型の新生血管を伴う加齢黄斑変性症の治療において,血管内皮増殖因子 A(VEGF-A)の全活性型を中和する組換えヒトモノクローナル Fab 抗体であるラニビズマブ(ranibizumab)と,ベルテポルフィンを用いた光線力学療法とを比較した.

方 法

2 年間にわたる多施設共同二重盲検試験において,1 年目に,ラニビズマブ(0.3 mg または 0.5 mg)の硝子体内注射+ベルテポルフィンのプラセボを用いた光線力学療法を月 1 回受ける群と,偽注射+ベルテポルフィンを用いた光線力学療法を月 1 回受ける群に,1:1:1 の割合で患者を無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,12 ヵ月の時点で,ベースラインからの視力低下が 15 文字未満(ETDRS チャートで読める文字数で評価)の患者の割合とした.

結 果

登録患者 423 例中,視力低下が 15 文字未満であった患者の割合は,ラニビズマブ 0.3 mg 注射群で 94.3%,0.5 mg 群で 96.4%であったのに対し,ベルテポルフィン群では 64.3%であった(それぞれの比較について P<0.001).視力が 15 文字以上改善したのは,ラニビズマブ 0.3 mg 群で 35.7%,0.5 mg 群で 40.3%であったのに対し,ベルテポルフィン群では 5.6%であった(それぞれの比較について P<0.001).視力は,平均してラニビズマブ 0.3 mg 群で 8.5 文字,0.5 mg 群で 11.3 文字改善したのに対し,ベルテポルフィン群では 9.5 文字低下した(それぞれの比較について P<0.001).ラニビズマブ 0.5 mg の投与を受けた 140 例のうち,2 例(1.4%)で眼内炎が疑われ,1 例(0.7%)で重篤なブドウ膜炎が認められた.

結 論

ラニビズマブは,predominantly classic 型の新生血管を伴う加齢黄斑変性症の硝子体内治療薬として,ベルテポルフィンよりも優れており,また,重篤な眼の有害事象の発生率も低かった.ラニビズマブによる治療で,平均して 1 年後に視力が改善した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00061594)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 1432 - 44. )