The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

November 30, 2006 Vol. 355 No. 22

癌研究の試験における金銭的利害の対立に対する患者の見解
Patients' Views on Financial Conflicts of Interest in Cancer Research Trials

L.A. Hampson and Others

背景

研究者または医療機関と,薬剤の試験が行われている製薬会社とのあいだの資金関係に対する監視は,ますます強化されている.

方 法

研究者や医療機関の中で起りうる金銭的利害の対立に対する見解について検討するため,米国の 5 つの医療機関で,癌研究における試験に参加中の患者 253 例に直接インタビューした(回答率 93%).

結 果

90%以上の患者が,研究者や医療機関が製薬会社と金銭的に関係している可能性について,ほとんどあるいはまったく懸念していなかった.患者の多くは,たとえ製薬会社が研究者の講演(回答者の 82%)や助言(75%)に対して代金を支払っていたとしても,あるいは研究者が著作権使用料を受け取ったり(70%),製薬会社の株を所有していたりしたとしても(76%),試験に参加したと述べた.同様に,多くの患者が,癌センターが製薬会社の株を所有していたり(77%),著作権使用料を受け取ったりしていたとしても(79%),試験に参加したと思うと答えた.また,大部分の患者は,研究者が製薬会社から講演料(81%)や顧問料(82%)を受け取るのは倫理的に妥当であると考えていた.しかし,全体でみて多くの患者が,研究者を監視するシステム(40%)と研究者の金銭的利益(31%)の公開を望んでいた.一方,患者の 17%は,それらを患者に公開する必要はないと考えていた.

結 論

癌研究の試験に参加中の患者の大部分は,研究者または医療機関と製薬会社とのあいだの金銭的関係について懸念しておらず,このような金銭的関係があることを知っていたとしても,試験に参加したと思うと答えた.多くの患者は,金銭的利害の対立を防ぐための監視システムと,研究者の金銭的利益に関する情報の公開を望んでいた.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 2330 - 7. )