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August 17, 2006 Vol. 355 No. 7

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早期産児の神経発達上の転帰を予測するための新生児 MRI
Neonatal MRI to Predict Neurodevelopmental Outcomes in Preterm Infants

L.J. Woodward and Others

背景

超早期産児は,神経発達上の有害転帰のリスクが高い.この集団における神経発達上の転帰を予測する方法として,MRI が提唱されている.

方 法

超早期産児 167 例(出生時の在胎週数 30 週以下)を対象に,満期産(在胎 40 週)に相当する時点に MRI で質的に定義した白質・灰白質の異常と,2 歳の時点(早産に対する修正年齢)での,重度の認知発達遅延,重度の精神運動発達遅延,脳性麻痺,感覚神経(聴覚,視覚)障害のリスクとの関連を評価した.

結 果

2 歳の時点で,17%の小児に重度の認知発達遅延,10%に重度の精神運動発達遅延,10%に脳性麻痺,11%に感覚神経障害がみられた.中等度~重度の大脳白質異常は,満期産に相当する時点で 21%の小児に認められ,2 歳の時点における以下の有害転帰を予測した.有害転帰は,認知発達遅延(オッズ比 3.6,95%信頼区間 1.5~8.7),運動発達遅延(オッズ比 10.3,95%信頼区間 3.5~30.8),脳性麻痺(オッズ比 9.6,95%信頼区間 3.2~28.3),感覚神経障害(オッズ比 4.2,95%信頼区間 1.6~11.3)であった.灰白質異常(小児の 49%で認められた)も,認知発達遅延,運動発達遅延,脳性麻痺と関連していたが,関連性はより弱かった.MRI 上の中等度~重度の白質異常は,頭蓋内超音波検査所見を含む新生児期の他の検査結果で補正後も,重度運動発達遅延や脳性麻痺の有意な予測因子であった.

結 論

超早期産児では,満期産に相当する時点における MRI の異常所見は,2 歳の時点での神経発達上の有害転帰を強く予測する.これらの所見は,これらの小児のリスク層別化において,満期産に相当する時点で MRI が果す役割について示唆している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 685 - 94. )