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August 24, 2006 Vol. 355 No. 8

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シャーガス心臓病における死亡を予測するためのリスクスコアの作成と検証
Development and Validation of a Risk Score for Predicting Death in Chagas' Heart Disease

A. Rassi, Jr., and Others

背景

シャーガス病は,ラテンアメリカにおける重大な健康問題であり,心疾患の合併は多くの障害の発生と死亡に関連している.われわれは,シャーガス心臓病患者の死亡リスクを予測するためのモデルを作成した.

方 法

ブラジル人地域コホートの外来患者,424 例を後ろ向きに評価した.潜在的リスク因子と死亡との関連を Cox 比例ハザード解析で検討し,リスクスコアを作成した.モデルは,異なる地域病院の患者 153 例において妥当性を検証した.

結 果

平均 7.9 年の追跡期間中,リスクスコア作成コホートの患者 130 例が死亡した.6 つの独立した予後因子を特定し,それぞれに回帰係数に比例した点数を割り当てた.予後因子は,ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)分類 III 度または IV 度(5 点),レントゲン上の心拡大(5 点),心エコー上の左室収縮機能不全(3 点),24 時間ホルター心電図上の非持続性心室頻拍(3 点),心電図上の低 QRS 電位(2 点),男性(2 点)であった.各患者に対してリスクスコアを算出し,低リスク(0~6 点),中間リスク(7~11 点),高リスク(12~20 点)の 3 つのリスク群を同定した.リスクスコア作成コホートにおいて,これら 3 群の 10 年死亡率は,それぞれ 10%,44%,84%であった.検証コホートでは,対応する死亡率はそれぞれ 9%,37%,85%であった.ポイントシステムに対する C 統計量は,リスクスコア作成コホートでは 0.84,検証コホートでは 0.81 であった.

結 論

シャーガス心臓病における死亡を予測するための単純なリスクスコアを作成し,独立したコホートにおいて妥当性を検証した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2006; 355 : 799 - 808. )