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March 22, 2007 Vol. 356 No. 12

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白斑に関連した多発性自己免疫疾患における NALP1
NALP1 in Vitiligo-Associated Multiple Autoimmune Disease

Y. Jin and Others

背景

自己免疫性炎症性疾患には,遺伝的危険因子と環境的誘因の相互作用が関与している.疫学的関連を示す自己免疫性炎症性疾患のグループに関与する,染色体 17p13 上の遺伝子を探索した.この疾患グループには,全身性白斑,自己免疫性甲状腺疾患,成人における潜在性自己免疫性糖尿病,関節リウマチ,乾癬,悪性貧血,全身性エリテマトーデス,アジソン病などの多様な組み合せが含まれる.

方 法

染色体 17p13 の連鎖ピークに広がる 177 の一塩基多型(SNP)と疾患との関連を検討し,強力な候補遺伝子を同定した.その後,追加 SNP を同定するため,遺伝子内および周囲の DNA 配列を決定した.これら追加 SNP の一部を用いて関連に関する 2 回目の検討を行い,遺伝子上における疾患との関連と,その拡張されたプロモーター領域を詳細に解明した.

結 果

関連解析により,自然免疫系の制御因子である NACHT ロイシンリッチリピート蛋白 1 をコードする候補遺伝子 NALP1 が同定された.罹患家族からの DNA と NALP1 内および周囲の追加 SNP を使用した詳細なアソシエーションマッピングにより,特異的変異体は白斑単独,自己免疫性炎症性疾患の拡張された表現型,もしくはその両方と関連することが示された.NALP1 SNP の条件付きロジスティック回帰分析により,2 つ以上の変異体が疾患リスクに独立して寄与することが示唆された.

結 論

NALP1 領域の DNA 配列変異は,疫学的関連を示すいくつかの自己免疫性炎症性疾患のリスクと関連することから,これらの障害の発症機序における自然免疫系の関与が示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1216 - 25. )