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March 22, 2007 Vol. 356 No. 12

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ポートワイン母斑のパルスダイレーザー治療後 10 年における再濃色化
Redarkening of Port-Wine Stains 10 Years after Pulsed-Dye-Laser Treatment

M. Huikeshoven and Others

背景

パルスダイレーザー治療は,現在ポートワイン母斑に対する標準的治療法であるが,その長期的な有効性に関する客観的データはほとんどない.われわれは,客観的色彩測定を用いて,過去に実施されたポートワイン母斑のパルスダイレーザー治療に関する前向き臨床研究について,10 年間の追跡調査を行った.

方 法

患者に対して,先行研究と同様の手法による色彩測定を繰り返し受けることを勧めた.長期追跡調査での結果を,ポートワイン母斑に対する治療前および平均 5 回のレーザー治療終了後の色彩測定結果と比較した.患者の治療に対する満足度と母斑の長期的変化の認識について,質問票を用いて調査した.

結 果

先行研究で色彩測定結果が得られた患者 89 例中,51 例を今回の研究に組み入れた.最後の色彩測定は平均 5 回の治療終了後に実施されたが,患者はそれ以降も中央値 7 回の追加治療を受けていた.追跡期間の中央値は 9.5 年であった.平均して,追跡調査時に測定した母斑は,最初の 5 回のレーザー治療のうち最後に行われた治療後に測定したときよりも有意に濃かったが(P=0.001),治療開始前に測定したときよりも有意に薄かった(P<0.001).患者の 59%が全体的な治療結果に満足していた.また,患者の 6%は最後の治療以来母斑が薄くなったと回答し,59%は変化なしと回答した.35%は濃くなったと回答した.

結 論

客観的色彩測定により,パルスダイレーザー治療後の長期追跡調査においてポートワイン母斑が再び有意に濃くなることを観察した.患者には,治療を開始する前に,母斑の色が再び濃くなる可能性があることを伝えるべきである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1235 - 40. )