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May 3, 2007 Vol. 356 No. 18

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停留精巣の手術年齢と精巣癌のリスク
Age at Surgery for Undescended Testis and Risk of Testicular Cancer

A. Pettersson and Others

背景

停留精巣は精巣癌の危険因子であり,通常は外科的に治療するが,治療年齢がそのリスクに影響を与えるかどうかは不明である.停留精巣の治療年齢と精巣癌のリスクとの関連を検討した.

方 法

1964~99 年に,スウェーデンで停留精巣に対して精巣固定術を受けた男性を同定した.コホート対象者をスウェーデン退院登録(Swedish Hospital Discharge Register)で確認し,スウェーデン癌登録(Swedish Cancer Registry)により精巣癌の発症について追跡した.1965~2000 年の人口動態統計と移動状況のデータを,人口と人口変化の記録(Register of Population and Population Changes)から入手した.コホート集団と一般集団のリスクを比較して,標準化罹患比の Poisson 回帰により精巣癌の相対リスクを推定した.コホート内比較群を設定して,Cox 回帰によるデータ解析も行った.

結 果

コホートは停留精巣の手術治療を受けた男性 16,983 例から成り,計 209,984 人年の追跡を行った.追跡期間中に精巣癌 56 例が同定された.13 歳に達する前に精巣固定術を受けた患者では,スウェーデンの一般集団と比較した精巣癌の相対リスクは 2.23(95%信頼区間 [CI] 1.58~3.06)であったのに対し,13 歳以上で手術を受けた患者では 5.40(95% CI 3.20~8.53)であった.精巣固定術の施行年齢が精巣癌のリスクに及ぼす影響は,コホート内の比較においては同程度であった.

結 論

停留精巣の治療は,思春期前に行うことで精巣癌のリスクが低下する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 1835 - 41. )