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June 14, 2007 Vol. 356 No. 24

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侵襲性カンジダ症に対するアニデュラファンギンとフルコナゾールの比較
Anidulafungin versus Fluconazole for Invasive Candidiasis

A.C. Reboli and Others

背景

アニデュラファンギン(anidulafungin)は,新しいエキノカンジン系抗真菌薬であり,カンジダ種に対する強力な活性を有する.侵襲性カンジダ症の治療に関する無作為化二重盲検非劣性試験において,アニデュラファンギンとフルコナゾールを比較した.

方 法

侵襲性カンジダ症の成人患者を,アニデュラファンギンまたはフルコナゾールの静脈内投与に無作為に割り付けた.すべての患者は,静脈内投与の 10 日後に,経口フルコナゾールの投与を受けられるものとした.主要有効性解析では,ベースラインでの培養陽性例において,静脈内投与終了時の全般的な反応(臨床反応および微生物学的反応)を評価した.その他の時点で有効性も評価した.

結 果

主要解析の対象とした患者 245 例のうち,89%でカンジダ血症のみが認められた.245 例のうち 62%で Candida albicans が分離された.in vitro でのフルコナゾール耐性はまれであった.大半の患者(97%)で好中球減少は認められなかった.静脈内投与終了時に治療が成功したのは,アニデュラファンギン投与患者では 75.6%,フルコナゾール投与患者では 60.2%であった(差 15.4 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 3.9~27.0).ほかの有効性エンドポイントについても結果は同様であった.統計学的解析では,「施設効果」は示されなかった.すなわち,もっとも多くの患者が登録されている施設のデータを除外しても,静脈内投与終了時の成功率は,アニデュラファンギン群で 73.2%,フルコナゾール群で 61.1%であった(差 12.1 パーセントポイント,95% CI -1.1~25.3).有害事象の頻度と種類は,両群で同等であった.全死因死亡率は,フルコナゾール群で 31%,アニデュラファンギン群で 23%であった(P=0.13).

結 論

侵襲性カンジダ症の治療において,アニデュラファンギンはフルコナゾールに対して非劣性であることが示された.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00056368)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 356 : 2472 - 82. )