The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

October 25, 2007 Vol. 357 No. 17

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

頭頸部癌に対するシスプラチン+フルオロウラシルのみの投与とドセタキセルとの併用投与の比較
Cisplatin and Fluorouracil Alone or with Docetaxel in Head and Neck Cancer

M.R. Posner and Others

背景

頭頸部の扁平上皮癌の治療に関する無作為化第 3 相試験で,シスプラチンとフルオロウラシルにドセタキセルを加えた導入化学療法(TPF 療法)後に化学放射線療法を行う方法と,シスプラチンとフルオロウラシルによる導入化学療法(PF 療法)後に化学放射線療法を行う方法を比較した.

方 法

患者 501 例(患者はすべて,切除不能と考えられる病期 III 期または IV 期の癌を有し遠隔転移を認めない患者か,臓器保存対象者)を,TPF 導入化学療法と PF 導入化学療法のいずれかに無作為に割り付けた.各導入化学療法後,週 1 回のカルボプラチン投与と週 5 日の放射線治療を行う化学放射線療法を実施した.主要エンドポイントは全生存率とした.

結 果

2 年以上(患者の 69%では 3 年以上)の追跡調査によると,生存患者数は TPF 群のほうが PF 群よりも有意に多かった(死亡に対するハザード比 0.70,P=0.006).3 年の時点における全生存率の推定値は,TPF 群で 62%,PF 群で 48%であった.全生存期間の中央値は,それぞれ 71 ヵ月,30 ヵ月であった(P=0.006).TPF 群では PF 群と比べて局所管理が良好であったが(P=0.04),遠隔転移の発生率に両群間で有意差はなかった(P=0.14).TPF 群では好中球減少症と発熱性好中球減少症の発生率がより高く,PF 群では血液系の有害事象による化学療法の実施遅延がより高頻度に認められた.

結 論

頭頸部扁平上皮癌患者の生存期間は,シスプラチンとフルオロウラシルにドセタキセルを加えた導入化学療法+化学放射線療法を受けた患者のほうが,シスプラチンとフルオロウラシルによる導入化学療法+化学放射線療法を受けた患者よりも有意に長かった.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00273546)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 1705 - 15. )