November 8, 2007 Vol. 357 No. 19
早期ホジキン病に対する化学療法と浸潤領域への放射線療法の併用
Chemotherapy plus Involved-Field Radiation in Early-Stage Hodgkin's Disease
C. Ferme and Others
早期ホジキン病の治療は通常,治癒の可能性のある治療法として必要とされる化学療法の量と放射線療法の程度の低減の指標となる予後因子に基づいて調整される.
1993~99 年にかけて,予後良好の特徴(H8-F 試験)または予後不良の特徴(H8-U 試験)を有する,未治療の第 I 期または第 II 期の横隔膜上ホジキン病患者 1,538 例(15~70 歳)を同定した.H8-F 試験では,3 サイクルのメクロレタミン(mechlorethamine),ビンクリスチン,プロカルバジン,プレドニゾン(MOPP)とドキソルビシン,ブレオマイシン,ビンブラスチン(ABV)の併用療法+浸潤領域への放射線療法と,亜全リンパ節照射単独療法(対照群)とを比較した.H8-U 試験では,6 サイクルの MOPP-ABV+浸潤領域への放射線療法(対照群),4 サイクルの MOPP-ABV+浸潤領域への放射線療法,4 サイクルの MOPP-ABV+亜全リンパ節照射療法という 3 つのレジメンを比較した.
追跡期間の中央値は 92 ヵ月間であった.H8-F 試験では,5 年無イベント生存率の推定値は,3 サイクルの MOPP-ABV+浸潤領域への放射線療法後のほうが,亜全リンパ節照射単独療法後よりも有意に高かった(98% 対 74%,P<0.001).10 年全生存率の推定値は,それぞれ 97%と 92%であった(P=0.001).H8-U 試験では,5 年間無イベント生存率の推定値は 3 群で同等であり,6 サイクルの MOPP-ABV+浸潤領域への放射線療法後では 84%,4 サイクルの MOPP-ABV+浸潤領域への放射線療法後では 88%,4 サイクルの MOPP-ABV+亜全リンパ節照射療法後では 87%であった.10 年全生存率の推定値は,それぞれ 88%,85%,84%であった.
予後良好の特徴を有するホジキン病に対しては,化学療法+浸潤領域への放射線療法を標準治療とすべきである.予後不良の特徴を有する患者には,4 サイクルの化学療法+浸潤領域への放射線療法を標準治療とすべきである.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00379041)