November 29, 2007 Vol. 357 No. 22
慢性特発性血小板減少性紫斑病治療のためのエルトロンボパグ
Eltrombopag for the Treatment of Chronic Idiopathic Thrombocytopenic Purpura
J.B. Bussel and Others
慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)の病態発生には,抗体媒介性の血小板破壊および血小板産生低下が関与している.血小板産生を刺激することは,この疾患の治療に有効である可能性がある.
慢性 ITP を有する血小板数 30,000/mm3 未満の成人患者で,再発がみられたか 1 回以上の標準的な ITP 治療で血小板数の改善が認められなかった 118 例を対象に試験を行った.患者を,経口トロンボポエチン受容体作動薬であるエルトロンボパグ(eltrombopag)投与(1 日あたり 30 mg,50 mg,75 mg)と,プラセボ投与のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,43 日目に血小板数が 50,000/mm3 以上であることとした.
主要エンドポイントは,エルトロンボパグ 30 mg/日群の 28%,50 mg/日群の 70%,75 mg/日群の 81%で達成された.プラセボ群では 11%でエンドポイントが達成された.43 日目における血小板数の中央値は,エルトロンボパグ 30 mg/日群で 26,000/mm3,50 mg/日群で 128,000/mm3,75 mg/日群で 183,000/mm3 であり,プラセボ群では 16,000/mm3 であった.15 日目までに,エルトロンボパグ 50 mg/日群または 75 mg/日群の 80%を超える患者で血小板数が増加した.この 2 群では,治療期間中に出血も減少した.有害事象の発生率および重症度は,プラセボ群とエルトロンボパグ群で同等であった.
エルトロンボパグにより,再発または難治性 ITP 患者の血小板数が用量依存的に増加した.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00102739)