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December 13, 2007 Vol. 357 No. 24

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ヒトにおける最初の顔面部分移植後 18 ヵ月の成績
Outcomes 18 Months after the First Human Partial Face Transplantation

J.-M. Dubernard and Others

背景

われわれは,2005 年 11 月 27 日に,最初のヒト顔面の部分的同種移植を行った.移植後 18 ヵ月までの転帰を報告する.

方 法

術後の導入免疫抑制プロトコールには,サイモグロブリン(thymoglobulin)と,タクロリムス,ミコフェノール酸モフェチル,プレドニゾンの併用を含めた.ドナーの造血幹細胞を術後 4 日目と 11 日目に投与した.センチネル皮膚移植片,顔面皮膚,口腔粘膜から生検標本を逐次採取した.感覚・運動機能検査を毎月実施し,機能回復状況を評価した.移植前後に心理的サポートを行った.

結 果

軽い接触に対する触覚(静止したモノフィラメントを用いて評価),および温覚・冷覚は,移植後 6 ヵ月で正常の状態に回復した.運動機能の回復は比較的遅く,口が完全に閉鎖できる上下口唇の接触は,10 ヵ月で達成された.機能回復に伴い,移植片の心理的受け入れが進んだ.拒絶反応は移植後 18 日目と 214 日目に現れたが,回復した.イヌリンクリアランスが低下したため,14 ヵ月の時点で免疫抑制レジメンをタクロリムスからシロリムスへ変更した.10 ヵ月の時点で,拒絶反応の再発を防ぐために体外光化学療法を導入した.以後の拒絶反応は認められていない.18 ヵ月の時点で患者は審美的結果に満足している.

結 論

最初の顔面部分移植を受けたこの患者において,移植後 18 ヵ月の時点の機能的・審美的結果は満足のできるものである.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2007; 357 : 2451 - 60. )