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July 16, 2009 Vol. 361 No. 3

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大腸ポリープと大腸癌の検出におけるカプセル型内視鏡と大腸内視鏡の比較
Capsule Endoscopy versus Colonoscopy for the Detection of Polyps and Cancer

A. Van Gossum and Others

背景

大腸検査用として,両端にビデオカメラを搭載した飲み込み可能なカプセル型内視鏡が考案された.この研究では,大腸ポリープと大腸癌の検出について,カプセル型内視鏡と大腸内視鏡を比較した.

方 法

大腸疾患が確認されている患者と大腸疾患の疑いがある患者のコホートを対象に,大腸ポリープと大腸癌の検出について,カプセル型内視鏡と大腸内視鏡(基準検査)を比較する前向き多施設共同研究を実施した.患者は,大腸検査に適した前処置を受け,腸管洗浄度を優~不良で評価した.大腸ポリープ,進行腺腫,癌について,カプセル型内視鏡検査の感度と特異度を算出した.

結 果

328 例(平均年齢 58.6 歳)を対象とした.92.8%の患者で,カプセルは飲み込んでから 10 時間以内かつバッテリーが切れる前に体外に排出された.カプセル型内視鏡検査は,直径 6 mm 以上の大腸ポリープに対しては感度 64%(95%信頼区間 [CI] 59~72),特異度 84%(95% CI 81~87)であり,進行腺種に対しては感度 73%(95% CI 61~83),特異度 79%(95% CI 77~81)であった.大腸内視鏡で確認された大腸癌 19 個のうち,カプセル型内視鏡で検出されたのは 14 個であった(感度 74%,95% CI 52~88).すべての病変について,カプセル型内視鏡の感度は,腸管洗浄度が優・良であった患者のほうが,可・不良であった患者よりも高かった.26 例(7.9%)で軽度~中等度の有害事象が報告されたが,多くは前処置に関連するものであった.

結 論

カプセル型内視鏡による大腸粘膜の観察は大多数の患者で可能であるが,その大腸病変検出の感度は大腸内視鏡よりも劣っている.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00604162)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 264 - 70. )