The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 20, 2009 Vol. 361 No. 8

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

アンドロゲン抑制療法を受けている前立腺癌男性に対するデノスマブ投与
Denosumab in Men Receiving Androgen-Deprivation Therapy for Prostate Cancer

M.R. Smith and Others

背景

アンドロゲン抑制療法は,前立腺癌の治療法として十分に確立されているが,骨量減少と骨折リスク増加に関連している.われわれは,アンドロゲン抑制療法を受けている非転移性前立腺癌男性を対象に,破骨細胞分化因子(receptor activator of nuclear factor-κB ligand:RANKL)に対する完全ヒトモノクローナル抗体であるデノスマブ(denosumab)の骨密度と骨折への効果を検討した.

方 法

この二重盲検多施設共同試験では,患者を,6 ヵ月ごとにデノスマブ 60 mg の皮下投与を受ける群と,プラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けた(各群 734 例).主要エンドポイントは,24 ヵ月後の腰椎骨密度変化率(%)とした.主要副次的エンドポイントは,24 ヵ月後の大腿骨頸部と股関節の骨密度変化率と,36 ヵ月後の 3 部位の骨密度変化率,新規脊椎骨折の発生率などとした.

結 果

24 ヵ月後の腰椎骨密度は,デノスマブ群では 5.6%増加したのに対し,プラセボ群では 1.0%減少した(P<0.001).両群間の有意差は,1 ヵ月後には認められ,36 ヵ月間持続した.デノスマブ療法は,すべての時点での股関節,大腿骨頸部,橈骨遠位 1/3 の骨密度の有意な増加にも関連していた.デノスマブ群では,36 ヵ月後の新規脊椎骨折の発生率が低下した(1.5%,これに対しプラセボ群 3.9%;相対リスク 0.38;95%信頼区間 0.19~0.78;P=0.006).有害事象の発生率は両群で同等であった.

結 論

アンドロゲン抑制療法を受けている非転移性前立腺癌男性において,デノスマブの投与は,測定したすべての部位の骨密度の増加と新規脊椎骨折の発生率の低下に関連していた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00089674)

本論文(10.1056/NEJMoa0809003)は 2009 年 8 月 11 日に NEJM.org で発表された.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2009; 361 : 745 - 55. )