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January 14, 2010 Vol. 362 No. 2

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中等症~重症の乾癬に対するウステキヌマブとエタネルセプトの比較
Comparison of Ustekinumab and Etanercept for Moderate-to-Severe Psoriasis

C.E.M. Griffiths and Others

背景

生物学的製剤により,乾癬患者の新しい治療選択肢が増えている.しかし,そのような治療法の有益性とリスクの特性は十分に明らかにされていない.乾癬の治療において,2 種類の生物学的製剤,ウステキヌマブ(ustekinumab,インターロイキン-12・23 拮抗薬)とエタネルセプト(腫瘍壊死因子 α 阻害薬)を比較した.

方 法

中等症~重症の乾癬患者 903 例を,ウステキヌマブ 45 mg または 90 mg を 0 週と 4 週に皮下投与する群と,高用量のエタネルセプト 50 mg を週 2 回,12 週間皮下投与する群のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,12 週の時点での乾癬の面積と重症度指数(PASI)が 75%以上改善した患者の割合とした.副次的エンドポイントは,医師の総合評価に基づき乾癬が消失または軽症化した患者の割合とした.評価に関わる者には治療割付けを知らせなかった.エタネルセプトからウステキヌマブへのクロスオーバー投与の有効性と安全性は,12 週を過ぎてから評価した.

結 果

12 週の時点で PASI スコアに 75%以上の改善が認められた患者の割合は,エタネルセプト群 56.8%に対し,ウステキヌマブ 45 mg 群 67.5%,90 mg 群 73.8%であった(それぞれ P=0.01,P<0.001).同様に,医師の総合評価により乾癬が消失またはごく軽症とされたのは,エタネルセプト群 49.0%に対し,ウステキヌマブ 45 mg 群 65.1%,90 mg 群 70.6%であった(いずれも P<0.001).エタネルセプトが奏効しなかった患者の 48.9%では,ウステキヌマブへのクロスオーバー後 12 週以内に PASI スコアに 75%以上の改善が認められた.12 週の時点までに 1 件以上の有害事象が認められた患者の割合は,ウステキヌマブ 45 mg 群 66.0%,90 mg 群 69.2%,エタネルセプト群 70.0%であり,重篤な有害事象はそれぞれ 1.9%,1.2%,1.2%で認められた.安全性(有害事象の種類・頻度等)は,エタネルセプトからウステキヌマブへのクロスオーバーの前後で類似していた.

結 論

乾癬患者の治療において,12 週間投与するウステキヌマブ 45 mg または 90 mg の有効性は,高用量のエタネルセプトより優れていた.(ClinicalTrials.gov 番号:NCT00454584)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2010; 362 : 118 - 28. )