The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 10, 2011 Vol. 364 No. 10

2008 年の生食品に関連した Salmonella Saintpaul集団感染
2008 Outbreak of Salmonella Saintpaul Infections Associated with Raw Produce

C. Barton Behravesh and Others

背景

生食品がサルモネラ症を媒介することが認識されるようになった.われわれは,2008 年に全米規模で発生した集団感染について調査した.

方 法

集団発生株である Salmonella enterica 血清型 Saintpaul への感染が検査で確認された人の下痢を症例として定義した.疫学的調査,遡及調査,環境調査を行った.

結 果

1,500 症例のうち 21%が入院し,2 例が死亡した.レストランでの症例集積に関連しない症例を対象とした 3 件の症例対照研究において疾患との有意な関連が認められたのは,生トマトの摂取(マッチさせたオッズ比 5.6,95%信頼区間 [CI] 1.6~30.3),メキシコ料理レストランでの食事(マッチさせたオッズ比 4.6,95% CI 2.1~∞),ピコデガヨサルサ(マッチさせたオッズ比 4.0,95% CI 1.5~17.8),コーントルティーヤ(マッチさせたオッズ比 2.3,95% CI 1.2~5.0)またはサルサ(マッチさせたオッズ比 2.1,95% CI 1.1~3.9)の摂取,家庭での生ハラペーニョ(唐辛子)の保有(マッチさせたオッズ比 2.9,95% CI 1.2~7.6)であった.レストランまたはイベントに関連した症例集積を対象とした 9 件の分析では,食材の関与が示唆された 3 件の症例集積すべてでハラペーニョとの関連が示唆され,その他 3 件の症例集積で関連が示唆された食品では,ハラペーニョまたはセラーノ(唐辛子)が食材に含まれていた.生トマトは 3 件の症例集積で関連が示唆された食材であった.集団発生株は,テキサス州で採取されたハラペーニョと,メキシコの農場の農業用水とセラーノで同定された.トマトの遡及調査では感染源は同定されなかった.

結 論

今回の調査では,初期に生トマトとの疫学的関連が確認されたが,その後の疫学的・微生物学的所見からはハラペーニョやセラーノとの関連が示唆された.この集団感染から,生食品の汚染を防止することの重要性が浮き彫りとなった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 364 : 918 - 27. )