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June 7, 2012 Vol. 366 No. 23

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進行基底細胞癌に対するビスモデギブの有効性と安全性
Efficacy and Safety of Vismodegib in Advanced Basal-Cell Carcinoma

A. Sekulic and Others

背景

基底細胞癌の発生には,ヘッジホッグシグナル伝達の変化が関与している.ほとんどの基底細胞癌は外科的に治療されるが,局所進行基底細胞癌や転移性基底細胞癌に対しては有効な治療法は存在しない.ファーストインクラスのヘッジホッグ経路の低分子阻害薬,ビスモデギブ(vismodegib)(GDC-0449)は,第 1 相試験で,進行基底細胞癌患者において奏効率 58%を示した.

方 法

多施設共同多国 2 コホート非無作為化試験において,転移性基底細胞癌または局所進行基底細胞癌で,手術不能な腫瘍であるか,または手術が適さない(複数回再発し外科的治癒の可能性が低いか,または,外観が著しく損なわれることが予測されるため)患者を登録した.全例にビスモデギブ 150 mg/日を経口投与した.主要エンドポイントは,独立に評価された客観的奏効率とした.主要仮説は,奏効率が局所進行基底細胞癌患者では 20%を上回り,転移性基底細胞癌患者では 10%を上回る,とした.

結 果

転移性基底細胞癌患者 33 例では,独立に評価された奏効率は 30%(95%信頼区間 [CI] 16~48,P=0.001)であった.局所進行基底細胞癌患者 63 例では 43%(95% CI 31~56,P<0.001)で,13 例(21%)で完全奏効が得られた.奏効期間中央値は両コホートで 7.6 ヵ月であった.患者の 30%超で発現した有害事象は,筋痙攣,脱毛,味覚障害,体重減少,倦怠感であった.重篤な有害事象は患者の 25%で報告され,有害事象による死亡は 7 例認められた.

結 論

ビスモデギブは,局所進行基底細胞癌または転移性基底細胞癌の患者における,腫瘍縮小効果と関連していた.(Genentech 社から研究助成を受けた.Erivance BCC ClinicalTrials.gov 番号:NCT00833417)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 2171 - 9. )