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January 5, 2012 Vol. 366 No. 1

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単純ヘルペスワクチン試験の有効性に関する結果
Efficacy Results of a Trial of a Herpes Simplex Vaccine

R.B. Belshe and Others

背景

単純ヘルペスウイルス(HSV)抗体陽性者・陰性者カップルを対象とした,糖蛋白 D を含有する HSV 2 型(HSV-2)サブユニットワクチンの 2 件の先行研究では,HSV1 型(HSV-1),HSV-2 ともに抗体陰性である女性の性器ヘルペスに対する有効率は,73%と 74%であった.男性および HSV-1 血清陽性女性における有効性は認められていない.

方 法

抗 HSV-1,HSV-2 抗体が陰性の 18~30 歳の女性 8,323 例を対象に,無作為化二重盲検有効性フィールド試験を行った.0,1,6 ヵ月の時点に,一部の被験者に HSV-2 由来の糖蛋白 D 20 μg とアジュバントとしてミョウバンおよび 3-ο-脱アシル化モノホスホリル脂質 A を含有する試験ワクチンを接種した.対照被験者には A 型肝炎ワクチンを 720 酵素免疫測定法(ELISA)単位接種した.主要エンドポイントは,2 ヵ月目(2 回目の接種の 1 ヵ月後)~20 ヵ月目における HSV-1,HSV-2 のいずれかによる性器ヘルペスの発症とした.

結 果

HSV ワクチンは,対照ワクチンと比較して高い局所反応リスクと関連しており,HSV-2 に対する ELISA 抗体および中和抗体を誘導した.全体的にはワクチンの有効性は認められず,性器ヘルペスに対するワクチン有効性は 20%(95%信頼区間 [CI] -29~50)であった.しかし,HSV-1 性器ヘルペスに対する有効性は 58%(95% CI 12~80)であった.HSV-1 感染に対するワクチン有効性(発症の有無を問わず)は 35%(95% CI 13~52)であったが,HSV-2 感染に対する有効性は認められなかった(-8%,95% CI -59~26).

結 論

HSV-1・HSV-2 血清陰性の一般女性を代表する試験集団において,試験ワクチンは HSV-1 による性器ヘルペスおよび感染の予防に有効であったが,HSV-2 による性器ヘルペスおよび感染の予防には有効ではなかった.(米国国立アレルギー感染症研究所,GlaxoSmithKline 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00057330)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 34 - 43. )