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October 11, 2012 Vol. 367 No. 15

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小児における砂糖の入っていない飲料または砂糖入り飲料の摂取と体重に関する試験
A Trial of Sugar-free or Sugar-Sweetened Beverages and Body Weight in Children

J.C. de Ruyter and Others

背景

砂糖入り飲料の消費量は過体重と関連しているが,おそらくは液糖では満腹感が得られないため他の食物の摂取量が減らないことが理由として考えられる.しかし,砂糖入り飲料をゼロカロリー飲料に置き換えることで体重増加が抑制されることを示すデータはない.

方 法

4 歳 10 ヵ月~11 歳 11 ヵ月の,主に標準体重の小児 641 人を対象に 18 ヵ月間の試験を行った.参加者を,1 日 250 mL(8 オンス)の砂糖の入っていない人工甘味料入り飲料を摂取する群(無糖群)と,味・外観が類似した 104 kcal の砂糖入り飲料を摂取する群(加糖群)に無作為に割り付けた.飲料は学校で配布した.18 ヵ月の時点で小児の 26%が飲料の摂取を止めていたが,試験を完了しなかった小児のデータは補完した.

結 果

体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m]2)の z スコアは,無糖群では平均 0.02 標準偏差単位の増加,加糖群では平均 0.15 標準偏差単位の増加を示し,差の 95%信頼区間(CI)は -0.21~-0.05 であった.体重は無糖群で 6.35 kg 増加したのに対し,加糖群では 7.37 kg 増加した(差の 95% CI -1.54~-0.48).皮下脂肪厚,ウエスト/身長比,脂肪量の増加についても,無糖群のほうが有意に小さかった.有害事象は少数であった.試験を中止した 136 人と完了した 477 人の 18 ヵ月の時点の測定値を合わせると,BMI の z スコアは無糖群で 0.06 標準偏差単位増加し,加糖群で 0.12 標準偏差単位増加した(P=0.06).

結 論

標準体重の小児において盲検下で砂糖入り飲料をゼロカロリー飲料に置き換えることで,体重増加と脂肪蓄積が減少した.(オランダ健康研究開発機構ほかから研究助成を受けた.DRINK ClinicalTrials.gov 番号:NCT00893529)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1397 - 406. )