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December 6, 2012 Vol. 367 No. 23

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2 型糖尿病に対するアリスキレンの試験における心腎エンドポイント
Cardiorenal End Points in a Trial of Aliskiren for Type 2 Diabetes

H.-H. Parving and Others

背景

この試験は,慢性腎臓病,心血管疾患またはその両方を有する 2 型糖尿病患者が直接的レニン阻害薬アリスキレンを使用することで,心血管イベントと腎イベントが減少するかどうかを検討する目的で行われた.

方 法

二重盲検にて,患者 8,561 例をアンジオテンシン変換酵素阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬に加えて,アリスキレン(300 mg/日)を投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,心血管系の原因による死亡または蘇生を伴う心停止の初回発生までの期間;非致死的心筋梗塞;非致死的脳卒中;心不全による予定外の入院;末期腎不全,腎不全に起因する死亡,透析または移植が不可能または開始されていない患者で腎代替療法が必要となること;ベースラインの血清クレアチニン値が 2 倍になることの複合とした.

結 果

有効性に関する 2 回目の中間解析後,試験は早期に中止された.追跡期間中央値 32.9 ヵ月後,主要エンドポイントはアリスキレン群では 783 例(18.3%)に発生したのに対し,プラセボ群では 732 例(17.1%)に発生した(ハザード比 1.08,95%信頼区間 [CI] 0.98~1.20,P=0.12).副次的腎エンドポイントに対する影響は同程度であった.収縮期血圧および拡張期血圧はアリスキレン群のほうが低く(群間差はそれぞれ 1.3 mmHg と 0.6 mmHg),尿中アルブミン/クレアチニン比の平均低下量が大きかった(群間差 14 パーセントポイント,95% CI 11~17).高カリウム血症(血清カリウム値 6 mmol/L 以上)を呈した患者の割合はアリスキレン群のほうがプラセボ群より有意に高く(11.2% 対 7.2%),低血圧が報告された割合についても同様であった(12.1% 対 8.3%)(両比較において P<0.001).

結 論

心血管イベントと腎イベントのリスクが高い 2 型糖尿病患者における,レニン-アンジオテンシン系阻害薬による標準治療へのアリスキレンの追加は,これらのデータからは支持されず,また有害となる可能性さえある.(Novartis 社から研究助成を受けた.ALTITUDE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00549757)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 2204 - 13. )