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April 18, 2013 Vol. 368 No. 16

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心臓手術設備がある病院とない病院での緊急経皮的冠動脈インターベンション
Nonemergency PCI at Hospitals with or without On-Site Cardiac Surgery

A.K. Jacobs and Others

背景

経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に緊急手術が行われることはまれになった.PCI 中またはその後に最良の転帰を得るためには,その施設に心臓手術設備が整っていることが必須であるかどうかは明らかではない.

方 法

マサチューセッツ州に所在する心臓手術設備のない病院に来院し,緊急でない PCI の適応となった患者を登録し,その病院内で PCI を受ける群と,心臓手術設備のある提携病院で PCI を受ける群に 3:1 の割合で無作為に割り付けた.心臓手術設備のない 10 病院と,心臓手術設備のある 7 病院が参加した.複合主要エンドポイントは,30 日(安全性エンドポイント)と 12 ヵ月(有効性エンドポイント)の時点における,死亡,心筋梗塞,血行再建術の再施行,脳卒中から成る重大な有害心イベントの発生率とした.主要エンドポイントは intention-to-treat の原則に基づいて解析し,相乗的非劣性マージンは 1.5(安全性)と 1.3(有効性)に設定して検証した.

結 果

3,691 例を,心臓手術設備のない病院で PCI を受ける群(2,774 例)と,心臓手術設備のある病院で PCI を受ける群(917 例)に無作為に割り付けた.重大な有害心イベントの発生率は,30 日の時点では心臓手術設備のない病院で 9.5%,心臓手術設備のある病院で 9.4%であり(相対リスク 1.00,片側 95%信頼区間上限 1.22,非劣性について P<0.001),12 ヵ月の時点では,それぞれ 17.3%と 17.8%であった(相対リスク 0.98,片側 95%信頼区間上限 1.13,非劣性について P<0.001).死亡,心筋梗塞,血行再建術の再施行,脳卒中(主要エンドポイントの構成項目)の発生率は,いずれの時点においても群間で有意差は認められなかった.

結 論

マサチューセッツ州の心臓手術設備のない病院で施行された緊急でない PCI は,心臓手術設備のある病院で施行された場合と比較して,30 日と 1 年の時点における臨床イベントの発生率について非劣性であった.(心臓手術設備のない参加病院から研究助成を受けた.MASS COM ClinicalTrials.gov 番号:NCT01116882)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 1498 - 508. )