The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

April 25, 2013 Vol. 368 No. 17

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

重篤な精神疾患者における減量のための行動介入
A Behavioral Weight-Loss Intervention in Persons with Serious Mental Illness

G.L. Daumit and Others

背景

重篤な精神疾患者では過体重と肥満が蔓延しているものの,減量試験ではこのような脆弱な集団は体系的に除外される.この集団では精神症状と認知障害が高頻度にみられるため,生活習慣への介入には調整が必要である.この研究の目的は,重篤な精神疾患を有する成人において,18 ヵ月間の,個別に調整された減量のための行動介入の有効性を検討することである.

方 法

10 の地域精神科リハビリテーション外来プログラムから,過体重または肥満の成人を登録し,介入群と対照群に無作為に割り付けた.介入群の参加者は,グループおよび個人で,個別に調整された体重管理のセッションと,グループで運動のセッションを受けた.体重の変化を 6 ヵ月,12 ヵ月,18 ヵ月の時点で評価した.

結 果

無作為化された 291 例の内訳は,統合失調症または統合失調感情障害が 58.1%,双極性障害が 22.0%,大うつ病が 12.0%であった.ベースラインでの平均体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m]2)は 36.3 であり,平均体重は 102.7 kg(225.9 lb)であった.18 ヵ月の時点での体重データは 279 例から得られた.介入群における減量は,18 ヵ月の試験期間中に徐々に進み,追跡調査のための各受診時には,対照群との有意差が認められた.18 ヵ月の時点で,体重の平均群間差(介入群での変化-対照群での変化)は -3.2 kg(-7.0 lb)であった(P=0.002).また,最初の体重から 5%以上減量した患者の割合は,介入群で 37.8%であったのに対し,対照群では 22.7%であった(P=0.009).有害事象に群間で有意差は認められなかった.

結 論

重篤な精神疾患を有する過体重・肥満の成人に対する減量のための行動介入により,18 ヵ月間で体重が有意に減少した.重篤な精神疾患者では肥満と体重関連疾患が蔓延していることを考慮すると,今回の知見から,この高リスク集団には,標的を定めた減量のための行動介入を導入することが支持される.(米国国立精神衛生研究所から研究助成を受けた.ACHIEVE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00902694)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 1594 - 602. )