April 25, 2013 Vol. 368 No. 17
米国の糖尿病ケアにおける 1999~2010 年の目標到達度
Achievement of Goals in U.S. Diabetes Care, 1999–2010
M.K. Ali and Others
糖尿病ケアにおける国の進捗を追跡することは,過去の取組みの評価に役立ち,ケアに残るずれが明らかになる可能性がある.
全米健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)と行動危険因子サーベイランスシステム(Behavioral Risk Factor Surveillance System)から得た,糖尿病を自己申告した成人のデータを解析し,1999~2010 年の期間における危険因子の管理,予防,冠動脈疾患のリスクスコアについて検討した.
1999~2010 年に,糖尿病ケアの推奨目標に到達した調査参加者の加重比率は,血糖コントロール(糖化ヘモグロビン値 7.0%未満)は 7.9 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] 0.8~15.0),個別の血糖目標値は 9.4 パーセントポイント(95% CI 3.0~15.8),血圧(目標値 130/80 mmHg 未満)は 11.7 パーセントポイント(95% CI 5.7~17.7),脂質濃度(低比重リポ蛋白 [LDL] コレステロールの目標値 100 mg/dL [2.6 mmol/L] 未満)は 20.8 パーセントポイント(95% CI 11.6~30.0)増加した.喫煙に有意な変化はみられなかったが,冠動脈疾患の 10 年発生率は 2.8~3.7 パーセントポイント低下した.しかし,糖尿病患者の 33.4~48.7%は依然として血糖コントロール,血圧,LDL コレステロールの目標値を達成していなかった.これら 3 項目すべてと喫煙について目標を達成したのは 14.3%にすぎなかった.推奨される毎年の眼科・歯科検診の遵守に変化はみられなかったが,年 1 回の脂質検査と足の診察はそれぞれ 5.5 パーセントポイント(95% CI 1.6~9.4),6.8 パーセントポイント(95% CI 4.8~8.8)増加した.65 歳以上の参加者では,年 1 回のインフルエンザ予防接種と,肺炎球菌の予防接種はそれぞれ 4.5 パーセントポイント(95% CI 0.8~8.2),6.9 パーセントポイント(95% CI 3.4~10.4)増加し,毎日の血糖モニタリングは 12.7 パーセントポイント(95% CI 10.3~15.1)増加した.
1999 年から 2010 年にかけて,危険因子の管理や予防の遵守は改善したものの,喫煙率は依然として高く,米国の糖尿病成人の約半数は,糖尿病ケアの推奨目標に到達していなかった.