The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

January 3, 2013 Vol. 368 No. 1

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

C 型肝炎に対するヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビルとリバビリンの併用
Nucleotide Polymerase Inhibitor Sofosbuvir plus Ribavirin for Hepatitis C

E.J. Gane and Others

背景

C 型肝炎ウイルス(HCV)感染に対する標準治療はインターフェロンであるが,皮下注射で投与され,厄介な副作用を引き起こすことがある.HCV 感染の治療として,インターフェロン制限レジメンとインターフェロンを用いないレジメンにおいて,HCV ポリメラーゼの経口ヌクレオチド阻害薬ソホスブビル(sofosbuvir)を評価した.

方 法

計 8 群の患者に非盲検治療を行った.未治療の HCV 遺伝子型 2 型または 3 型感染患者 40 例を 4 群に無作為に割り付けた.この 4 群にはソホスブビル(用量 400 mg 1 日 1 回)+リバビリンを 12 週間投与した.このうち 3 群には,ペグインターフェロンα-2a 投与もそれぞれ 4 週,8 週,12 週間行った.これとは別の,未治療の HCV 遺伝子型 2 型または 3 型感染患者から成る 2 群に,ソホスブビル単剤療法を 12 週間,またはソホスブビル+ペグインターフェロンα-2a にリバビリンを併用する治療を 8 週間行った.さらに,HCV 遺伝子型 1 型感染患者で,それまでの治療で効果が認められなかった 10 例と未治療の 25 例の 2 群に,ソホスブビル+リバビリンを 12 週間投与した.治療後 24 週の時点でのウイルス排除(sustained virologic response:SVR)率を報告する.

結 果

無作為化された 40 例のうち,インターフェロン非併用でソホスブビル+リバビリンを投与した 10 例全例(100%)と,ソホスブビル+リバビリンを 12 週間,インターフェロンを 4 週,8 週,12 週間投与した 30 例全例(100%)に,24 週の時点で SVR が認められた.これとは別の HCV 遺伝子型 2 型または 3 型感染患者では,ソホスブビル+ペグインターフェロンα-2a にリバビリンを 8 週間投与した 10 例全例(100%)と,ソホスブビル単剤療法を行った 10 例中 6 例(60%)に,24 週の時点で SVR が認められた.HCV 遺伝子型 1 型感染患者では,未治療の 25 例中 21 例(84%)とそれまでの治療で効果が認められなかった 10 例中 1 例(10%)に,24 週の時点で SVR が認められた.有害事象は,頭痛,倦怠感,不眠,悪心,発疹,貧血が高頻度に認められた.

結 論

未治療の HCV 遺伝子型 1 型,2 型,3 型感染患者には,12 週間のソホスブビルとリバビリンの併用が有効である可能性がある.(Pharmasset 社,Gilead Sciences 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT01260350)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 34 - 44. )