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January 24, 2013 Vol. 368 No. 4

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米国における喫煙関連死亡率の 50 年間の動向
50-Year Trends in Smoking-Related Mortality in the United States

M.J. Thun and Others

背景

米国における喫煙による疾患リスクは,20 世紀の大部分にわたり,最初は男性喫煙者で,のちに女性喫煙者で増加した.これらのリスクが過去 20 年間に増加し続けたかどうかは明らかではない.

方 法

2 つの歴史的コホート研究と 5 つの現代コホートプール研究において,追跡調査期間中に 55 歳以上になった参加者について,性別と自己報告による喫煙状況をもとに絶対リスクと相対リスクを比較し,3 つの期間(1959~65 年,1982~88 年,2000~10 年)における死亡率の経時的傾向を評価した.

結 果

現在喫煙者の女性では,喫煙歴のない女性と比較して,肺癌による死亡の相対リスクは,1960 年代,1980 年代,現代コホートでそれぞれ,2.73,12.65,25.66 であった.現在喫煙者の男性では,喫煙歴のない男性と比較して,同リスクはそれぞれ 12.22,23.81,24.97 であった.現代コホートでは,現在喫煙者の男女で同様のリスクが,慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡(男性 25.61,女性 22.35),虚血性心疾患による死亡(男性 2.50,女性 2.86),全脳卒中による死亡(男性 1.92,女性 2.10),全死因死亡(男性 2.80,女性 2.76)について認められた.現代コホートでは,男性喫煙者における COPD による死亡率が,研究の代表的年齢群のほぼすべてと,喫煙期間,喫煙強度の各層内で継続的に上昇していた.55~74 歳の男性と 60~74 歳の女性では,全死因死亡率が,現在喫煙者では喫煙歴のない人の 3 倍以上であった.いずれの年齢で禁煙しても,死亡率は劇的に低下した.

結 論

喫煙による死亡のリスクは,喫煙歴のない人と比較して女性で継続的に上昇しており,その高いリスクは現在では男女でほぼ同等である.男性では,喫煙に関連するリスクは,COPD による死亡率の説明のつかない継続的な上昇を除き,1980 年代に達した高いレベルのまま一定している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 351 - 64. )