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February 14, 2013 Vol. 368 No. 7

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早期運動合併症を有するパーキンソン病に対する神経刺激療法
Neurostimulation for Parkinson's Disease with Early Motor Complications

W.M.M. Schuepbach and Others

背景

視床下核刺激は,レボドパにより重度の運動合併症をきたした進行期パーキンソン病患者の運動障害を軽減し,QOL を改善する.われわれは,早期のパーキンソン病に対しても神経刺激療法は有益であるという仮説を立てた.

方 法

2 年間の試験で,パーキンソン病で早期の運動合併症を有する患者 251 例(平均年齢 52 歳,平均発症期間 7.5 年)を,神経刺激療法と内科的治療を併用する群と,内科的治療のみを行う群に無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,パーキンソン病質問票(PDQ-39)のサマリー指数(0~100 のスコアで,高いほど機能が不良であることを示す)で評価した QOL とした.主要副次的転帰は,パーキンソン運動障害,日常生活動作,レボドパ誘発性運動合併症(それぞれ,統合パーキンソン病評価尺度 [UPDRS] のパート III,パート II,パート IV で評価),身体可動性が良好でジスキネジアを認めない期間などとした.

結 果

主要転帰である QOL については,神経刺激療法群では平均スコアが 7.8 ポイント上昇し,内科的治療群では 0.2 ポイント低下した(ベースラインから 2 年目までの変化の平均における群間差は 8.0 ポイント,P=0.002).神経刺激療法は,運動障害(P<0.001),日常生活動作(P<0.001),レボドパ誘発性運動合併症(P<0.001),身体可動性が良好でジスキネジアを認めない期間(P=0.01)について,内科的治療より優れていた.重篤な有害事象は,神経刺激療法群の 54.8%,内科的治療群の 44.1%に発現した.植込み術または神経刺激デバイスに関連する重篤な有害事象は,患者の 17.7%に発現した.専門家委員会は,神経刺激療法群の 96.8%,内科的治療群の 94.5%における内科的治療が診療ガイドラインに沿っていたことを確認した.

結 論

パーキンソン病で早期の運動合併症を有する患者において,視床下核刺激は内科的治療よりも優れていた.(ドイツ研究省ほかから研究助成を受けた.EARLYSTIM ClinicalTrials.gov 番号:NCT00354133)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 368 : 610 - 22. )