September 19, 2013 Vol. 369 No. 12
外科再入院率の差異と病院のケアの質
Variation in Surgical-Readmission Rates and Quality of Hospital Care
T.C. Tsai and Others
再入院率を引き下げることは,臨床的・政策的優先事項であるが,大手術後の再入院率の差異や,一病院における再入院率が外科治療の質を表すその他の指標と関連しているかどうかは,ほとんどわかっていない.
全米のメディケアデータを用いて,冠動脈バイパス術,肺葉切除術,腹部大動脈瘤の血管内治療,腹部大動脈瘤の開腹手術,結腸切除術,人工股関節置換術のための入院について,退院後の 30 日再入院率を算出した.二変量法と多変量法を用いて,再入院率と,手術手順の遵守,手術件数,死亡率など手術の質を表すその他の指標との関連を評価した.
指標とした 6 種類の手術について,3,004 病院で 479,471 例が退院した.30 日の時点でのリスク補正後の複合再入院率の中央値は 13.1%(四分位範囲 9.9~17.1)であった.病院の特性について補正した多変量モデルにおいて,手術件数が最高四分位群に属する病院では,最低四分位群に属する病院よりも複合再入院率が有意に低く(12.7% 対 16.8%,P<0.001),手術死亡率が最低四分位群の病院では,死亡率が最高四分位群の病院よりも再入院率が有意に低い(13.3% 対 14.2%,P<0.001)ことが明らかになった.報告された手術手順の遵守率が高いことは,再入院率の低下とわずかな関連しかなかった(最高四分位群と最低四分位群との比較で 13.1% 対 13.6%,P=0.02).6 種類の 大手術それぞれを個別に検討した場合も,同様の傾向が認められた.
大手術のために入院した患者のおよそ 7 例に 1 例が,退院後 30 日以内に再入院する.手術件数が多く手術死亡率が低い病院では,他の病院よりも外科再入院率が低い.