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October 17, 2013 Vol. 369 No. 16

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思春期特発性側弯症患者における装具治療の効果
Effects of Bracing in Adolescents with Idiopathic Scoliosis

S.L. Weinstein and Others

背景

思春期特発性側弯症を有し,弯曲進行リスクが高く最終的に手術の適応となる患者に対する装具(ブレース)治療の役割については意見が分かれている.

方 法

年齢,骨格未成熟,側弯の角度により一般的に装具治療の適応となる患者を対象に,多施設共同研究を行った.無作為化コホートと選択コホートの両方を登録した.解析対象となった 242 例のうち,116 例は装具治療または経過観察に無作為に割り付けられ,126 例は装具治療と経過観察のいずれかを選択した.装具治療群の患者には,装具を 1 日 18 時間以上装着するように指示した.主要転帰は,50°以上への弯曲進行(治療失敗)と,50°未満の弯曲での骨格成熟(治療成功)とした.

結 果

装具治療の有効性が認められたため,試験は早期に中止された.無作為化コホートと選択コホートの両方を組み入れた解析では,治療成功率は装具治療群 72%に対し,経過観察群 48%であった(傾向スコア補正後の治療成功のオッズ比 1.93,95%信頼区間 [CI] 1.08~3.46).intention-to-treat 解析では,治療成功率は装具治療に無作為に割り付けられた患者群 75%に対し,経過観察に無作為に割り付けられた患者群 42%であった(オッズ比 4.11,95% CI 1.85~9.16).装具装着時間と治療成功率とのあいだに有意な正の相関が認められた(P<0.001).

結 論

思春期特発性側弯症患者において,装具治療により,高リスク弯曲の手術適応閾値への進行が有意に減少した.この利益は,装具装着時間が長いほど増加した.(米国国立関節炎・骨軟部疾患・皮膚疾患研究所ほかから研究助成を受けた.BRAIST ClinicalTrials.gov 番号:NCT00448448)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1512 - 21. )