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November 14, 2013 Vol. 369 No. 20

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米国国立心臓・肺・血液研究所が助成した試験の発表
Publication of Trials Funded by the National Heart, Lung, and Blood Institute

D. Gordon and Others

背景

臨床試験の迅速な発表は,公衆衛生および科学の進歩にとって,結果から最大限の利益を得るためにはきわめて重要である.政府が助成した試験の主要な結果が発表される速度に影響を及ぼす要因は,十分には明らかにされていない.

方 法

米国国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)の支援を受けた,心血管介入に関する外部で行われた無作為化臨床試験 244 件を分析した.2000 年 1 月 1 日~2011 年 12 月 31 日にデータ収集が完了した試験を選択した.主要評価項目は,試験の終了から査読雑誌での主要結果の発表までの期間とした.

結 果

2012 年 3 月 31 日の時点で,156 試験(64%)の主要結果が発表されていた(Kaplan–Meier 法による発表までの期間の中央値 25 ヵ月,57%は 30 ヵ月以内に発表).臨床イベントに焦点を当てた試験は,代替評価項目に焦点を当てた試験と比較してより迅速に発表されていた(中央値 9 ヵ月 対 31 ヵ月,P<0.001).より迅速な発表の独立予測因子は,代替評価項目ではなく臨床イベントに焦点が当てられること(補正後の発表率比 2.11,95%信頼区間 1.26~3.53,P=0.004),ならびに約 500 万ドルを上限閾値として,試験実施費用がより多いこと(P<0.001)のみであった.臨床イベントに焦点を当て,実施費用が 500 万ドル以上の 37 試験は,臨床試験に提供された研究助成の 67%を占めていたが,引用の 82%を占めていた.臨床イベントへの焦点と費用に関する分析について補正後,肯定的と分類された試験結果は,否定的と分類された試験結果と比較して,より迅速に発表されていた.

結 論

NHLBI が助成した心血管介入に関する無作為化臨床試験の結果の 2/3 弱が,試験終了後 30 ヵ月以内に発表されていた.臨床イベントに焦点を当てた試験は,代替評価項目に焦点を当てた試験と比較して迅速に発表されていた.(米国国立心臓・肺・血液研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 1926 - 34. )