November 28, 2013 Vol. 369 No. 22
心房細動患者におけるエドキサバンとワルファリンの比較
Edoxaban versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
R.P. Giugliano and Others
エドキサバンは,抗血栓作用が証明されている経口直接作用型 Xa 因子阻害薬である.心房細動患者における,ワルファリンと比較したエドキサバンの長期的な有効性と安全性は不明である.
中等度~高リスクの心房細動患者 21,105 例を対象に,エドキサバン 1 日 1 回の 2 通りのレジメンを,ワルファリンと比較する無作為化二重盲検ダブルダミー試験を行った(追跡期間中央値 2.8 年).主要有効性エンドポイントは,脳卒中または全身性塞栓症とした.エドキサバンの各レジメンについて,治療期間中のワルファリンに対する非劣性を検討した.主要な安全性エンドポイントは重大な出血とした.
治療期間中の主要エンドポイントの年間発生率は,ワルファリン群 1.50%(治療域にあった時間の中央値 68.4%)に対し,高用量エドキサバン群 1.18%(ハザード比 0.79,97.5%信頼区間 [CI] 0.63~0.99,非劣性の P<0.001),低用量エドキサバン群 1.61%(ハザード比1.07,97.5% CI 0.87~1.31,非劣性の P=0.005)であった.intention-to-treat 解析では,高用量エドキサバンはワルファリンと比較して良好である傾向が認められ(ハザード比 0.87,97.5% CI 0.73~1.04,P=0.08),低用量エドキサバンはワルファリンと比較して不良である傾向が認められた(ハザード比 1.13,97.5% CI 0.96~1.34,P=0.10).重大な出血の年間発生率は,ワルファリン群 3.43%に対し,高用量エドキサバン群 2.75%(ハザード比 0.80,95% CI 0.71~0.91,P<0.001),低用量エドキサバン群 1.61%(ハザード比 0.47,95% CI 0.41~0.55,P<0.001)であった.心血管系の原因による死亡の年間発生率は,ワルファリン群 3.17%に対し,高用量エドキサバン群 2.74%(ハザード比 0.86,95% CI 0.77~0.97,P=0.01),低用量エドキサバン群 2.71%(ハザード比 0.85,95% CI 0.76~0.96,P=0.008)であり,重要な副次的エンドポイント(脳卒中,全身性塞栓症,心血管系の原因による死亡の複合)の発生率は,ワルファリン群 4.43%に対し,高用量エドキサバン群 3.85%(ハザード比 0.87,95% CI 0.78~0.96,P=0.005),低用量エドキサバン群 4.23%(ハザード比 0.95,95% CI 0.86~1.05,P=0.32)であった.
エドキサバン 1 日 1 回のレジメンはいずれも,脳卒中や全身性塞栓症の予防に関してワルファリンに対して非劣性を示し,出血と心血管系の原因による死亡の発生率の有意な低下と関連していた.(Daiichi Sankyo Pharma Development 社から研究助成を受けた.ENGAGE AF-TIMI 48 ClinicalTrials.gov 番号:NCT00781391)