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December 26, 2013 Vol. 369 No. 26

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2 型糖尿病とステージ 4 の慢性腎臓病に対するバルドキソロンメチル
Bardoxolone Methyl in Type 2 Diabetes and Stage 4 Chronic Kidney Disease

D. de Zeeuw and Others

背景

レニン–アンジオテンシン–アルドステロン系阻害薬により糖尿病腎症の進展を遅らせることができるが,残存リスクは高い.核 1 因子(赤血球由来 2)関連因子 2 活性化薬を用いることでこのリスクがさらに低下するかどうかは明らかにされていない.

方 法

2 型糖尿病とステージ 4 の慢性腎臓病(CKD)(推算糸球体濾過量 [eGFR] 15 mL 以上 30 mL 未満/分/1.73 m2 体表面積)を有する患者 2,185 例を,バルドキソロンメチル(bardoxolone methyl)を 20 mg/日投与する群と,プラセボを投与する群に無作為に割り付けた.主要複合転帰は,末期腎不全(ESRD)または心血管系の原因による死亡とした.

結 果

独立データ安全性モニタリング委員会の勧告に従い,治験依頼者と運営委員会は試験を中止した.追跡期間中央値は 9 ヵ月であった.主要複合転帰は,バルドキソロンメチル群に無作為に割り付けられた 1,088 例中 69 例(6%)と,プラセボ群に無作為に割り付けられた 1,097 例中 69 例(6%)に発生した(バルドキソロンメチル群のプラセボ群に対するハザード比 0.98,95%信頼区間 [CI] 0.70~1.37,P=0.92).バルドキソロンメチル群では,ESRD が 43 例に発生し,27 例が心血管系の原因により死亡した.プラセボ群では,ESRD が 51 例に発生し,19 例が心血管系の原因により死亡した.バルドキソロンメチル群の 96 例が心不全により入院または死亡したのに対し,プラセボ群では 55 例であった(ハザード比 1.83,95% CI 1.32~2.55,P<0.001).バルドキソロンメチル群では,プラセボ群と比較して,eGFR,血圧,尿中アルブミン/クレアチニン比が有意に上昇し,体重が有意に減少した.

結 論

2 型糖尿病とステージ 4 の CKD を有する患者にバルドキソロンメチルを投与しても,ESRD や心血管系の原因による死亡のリスクは低下しなかった.バルドキソロンメチル群ではプラセボ群よりも心血管イベントの発生率が高かったことから,試験は中止にいたった.(Reata Pharmaceuticals 社から研究助成を受けた.BEACON ClinicalTrials.gov 番号:NCT01351675)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 2492 - 503. )