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July 25, 2013 Vol. 369 No. 4

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メトトレキサート療法無効の活動性関節リウマチに対する治療
Therapies for Active Rheumatoid Arthritis after Methotrexate Failure

J.R. O'Dell and Others

背景

関節リウマチの管理では,メトトレキサートによる治療にもかかわらず活動性が低下しないことがよくあるが,このような患者において,従来の疾患修飾性抗リウマチ薬を併用する治療法と,生物学的製剤とを比較する盲検試験はほとんど実施されていない.

方 法

48 週間の二重盲検非劣性試験において,メトトレキサート療法にもかかわらず活動性の高い関節リウマチ患者 353 例を,疾患修飾性抗リウマチ薬 3 剤(メトトレキサート,スルファサラジン,ヒドロキシクロロキン [hydroxychloroquine])を併用する群と,エタネルセプトとメトトレキサートを併用する群に無作為に割り付けた.24 週の時点で,事前に規定した閾値に基づく改善が認められなかった患者は,盲検下でもう一方の治療に切り替えた.主要評価項目は 48 週の時点での 28 関節疾患活動性スコア(DAS28;スコアの範囲は 2~10 で,スコアが高いほど疾患の活動性が高いことを示す)とした.

結 果

両群ともに,最初の 24 週間で有意な改善が認められた(ベースラインとの比較に対する P=0.001).両群とも,患者の 27%が 24 週の時点で治療の切替えを必要とした.いずれの群においても,治療を切り替えた患者では切替え後に改善がみられ(P<0.001),改善の程度に群間で有意差は認められなかった(P=0.08).DAS28 のベースラインから 48 週目までの変化は両群で同程度であった(3 剤併用群 -2.1,エタネルセプト+メトトレキサート群 -2.3;P=0.26).DAS28 の変化に対する 95%信頼区間の上限値 0.41 は非劣性限界値 0.6 を下回っていたため,3 剤併用群は,エタネルセプト+メトトレキサート群に対して非劣性であることが認められた(P=0.002).X 線で評価した進行,疼痛,健康関連 QOL などの副次的評価項目や投与した薬剤に関連する主要な有害事象に,群間で有意差は認められなかった.

結 論

メトトレキサート療法にもかかわらず活動性の高い関節リウマチ患者において,メトトレキサートにスルファサラジンとヒドロキシクロロキンを追加する 3 剤併用療法は,臨床的有益性に関してエタネルセプトとメトトレキサートの併用に対して非劣性であった.(米国退役軍人局研究開発部共同研究プログラムほかから研究助成を受けた.CSP 551 RACAT ClinicalTrials.gov 番号:NCT00405275)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 307 - 18. )