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August 1, 2013 Vol. 369 No. 5

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ANCA 関連血管炎に対する寛解導入レジメンの有効性
Efficacy of Remission-Induction Regimens for ANCA-Associated Vasculitis

U. Specks and Others

背景

抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の重症(臓器に障害をもたらす)例において,リツキシマブ投与を 1 コースのみ行う治療と,シクロホスファミド投与後にアザチオプリンを投与する従来の免疫抑制療法とで,18 ヵ月間の有効性を比較した結果は明らかにされていない.

方 法

多施設共同無作為化二重盲検ダブルダミー非劣性試験において,リツキシマブ(375 mg/m2 体表面積を週 1 回,4 週間)投与後にプラセボを投与する治療を,シクロホスファミドを 3~6 ヵ月間投与後アザチオプリンを 12~15 ヵ月間投与する治療と比較した.主要転帰指標は,6 ヵ月の時点までに完全寛解し,18 ヵ月の時点まで維持されることとした.

結 果

197 例の患者を登録した.以前に報告したように,6 ヵ月までに完全寛解を達成したのは,リツキシマブ群では 64%であったのに対し,シクロホスファミド+アザチオプリン群では 53%であった.12 ヵ月と 18 ヵ月の時点で完全寛解を維持していたのは,リツキシマブ群ではそれぞれ 48%,39%であったのに対し,対照群ではそれぞれ 39%,33%であった.リツキシマブは,事前に規定した非劣性の基準を満たした(非劣性マージン 20%で P<0.001).完全寛解の持続期間や,再燃の頻度・重症度などの有効性評価項目に,群間で有意差は認められなかった.ベースラインで再燃例であった 101 例は,6 ヵ月(P=0.01)と 12 ヵ月(P=0.009)の時点では,リツキシマブのほうが従来の免疫抑制よりも優れていたが,18 ヵ月(P=0.06)の時点では優越性は認められず,この時点で,リツキシマブ群の大部分の患者で B 細胞が再構築されていた.有害事象に群間で有意差は認められなかった.

結 論

重症 ANCA 関連血管炎の患者において,リツキシマブ投与を 1 コースのみ行う治療は,18 ヵ月間の寛解の導入と維持に関して,継続的に行う従来の免疫抑制療法と同程度に有効であった.(米国国立アレルギー感染症研究所ほかから研究助成を受けた.RAVE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00104299)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 417 - 27. )