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August 15, 2013 Vol. 369 No. 7

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前立腺癌予防試験参加者の長期生存
Long-Term Survival of Participants in the Prostate Cancer Prevention Trial

I.M. Thompson, Jr., and Others

背景

前立腺癌予防試験(PCPT)において,フィナステリドは前立腺癌のリスクを有意に低下させたが,高悪性度前立腺癌のリスク上昇と関連していた.われわれは最長 18 年間の追跡調査に基づき,試験参加者全例,および前立腺癌を発症した参加者の生存率を分析した.

方 法

PCPT 参加者の前立腺癌発生率に関するデータを,2003 年の最初の報告からさらに 1 年間収集し,2011 年 10 月 31 日までの生存状況を評価するため社会保障死亡指数を検索した.

結 果

無作為化された適格男性 18,880 例のうち,フィナステリド群の 9,423 例中 989 例(10.5%)と,プラセボ群の 9,457 例中 1,412 例(14.9%)が前立腺癌の診断を受けた(フィナステリド群の相対リスク 0.70,95%信頼区間 [CI] 0.65~0.76,P<0.001).評価された男性のうち,フィナステリド群の 333 例(3.5%)とプラセボ群の 286 例(3.0%)が高悪性度前立腺癌(グリーソンスコア 7~10)であった(相対リスク 1.17,95% CI 1.00~1.37,P=0.05).死亡した男性の内訳は,フィナステリド群は 2,538 例,プラセボ群は 2,496 例で,15 年生存率はそれぞれ 78.0%,78.2%であった.フィナステリド群における死亡の未補正ハザード比は 1.02(95% CI 0.97~1.08,P=0.46)であった.10 年生存率は,低悪性度前立腺癌の男性ではフィナステリド群で 83.0%,プラセボ群で 80.9%であり,高悪性度前立腺癌の男性ではそれぞれ 73.0%,73.6%であった.

結 論

フィナステリドにより前立腺癌のリスクは約 1/3 低下した.高悪性度前立腺癌の頻度はフィナステリド群のほうがプラセボ群よりも高かったが,18 年間の追跡調査後には,全生存率,および前立腺癌診断後の生存率に群間で有意差は認められなかった.(米国国立がん研究所から研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2013; 369 : 603 - 10. )